お知らせ
平成22年度卒業生の皆さんに
平成23年3月23日
まずこのたびの震災で亡くなられた方々に皆さんと一緒にご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
さて、突然の大震災とそれに続く交通機関の乱れ、計画停電、原子力発電所の事故と続々と出現する難問を前にして、一橋大学は平成22年度の学位記授与式を行うことを断念しました。私は、このことを大変残念に思います。皆さんもさぞ残念なことと思います。しかし、私は中止にあたって、しかるべき時期に、しかるべき形で皆さんとお会いする機会をもちたいという約束をしました。社会人となったみなさんが再会し、お互いの絆をいっそう強めることができるような場をできる限り兼松講堂に設けたいと私は考えています。その折には、皆さんにぜひ参加していただくよう期待しています。
学位記授与式でお話しようと考えていたことは、本学ウェブサイトと如水会会報に載せる予定です。これは、事前に準備していたものですから、大震災にはまったく触れていません。あえて手を加えていませんので、そのようなものとして読んでください。
日本も世界も混沌とした状況にあります。とくに日本は政治的にも経済的にも非常に厳しい状態のもとにあります。皆さんの卒業にあたり、試練といってよいほどの状況が発生したことは疑う余地はありません。このような時代に世に出る皆さんは大変ですが、一方で皆さんのような若人達の手による日本の再生がこれほど強く期待されている時期もないかもしれません。日本と世界は、一橋大学で学んだ優秀で若い皆さんの力に期待しています。
一橋大学で鍛えた知性と精神で大いに活躍し、社会に貢献してください。私たちはそれを切望しています。
一橋大学長
山内進