お知らせ
アジア研究教育拠点事業
「東アジアにおける法の継受と創造-東アジア共通法の基盤形成に向けて-」
2007年度セミナー「東アジア法研究の現状と将来」を開催しました
11月17日・18日の2日間にわたり、法学研究科は、国際セミナー「東アジア法の現状と将来」を開催いたしました。
この国際セミナーは、日本学術振興会の委託にもとづき、中国人民大学法学院および釜山大学校法科大学との強い連携のもとに、2007年度から5年間にわたって行なわれる予定の研究教育プロジェクト「東アジアにおける法の継受と創造-東アジア共通法の基盤形成に向けて-」の、初年度におけるメインの事業として行われたものです。
第1日目(17日)のテーマは「法継受・法創造についての研究の現状」、第2日目(18日)のテーマは「伝統的法文化の比較研究-共通法形成に向けて-」でした。日本、中国、韓国から、以下の報告がなされました。
- 宇野文重・林真貴子「日本における法継受・法創造についての研究の現状と課題」
- 馮玉軍「中国における欧米法継受の研究の到達点」
- 朱芝弘「韓国民事法の継受と創造」
- 水林彪「アジアの伝統的法文化に関する研究の現状と問題点--日本の場合--」
- 姚 輝「中国の伝統法文化と欧米(日本)民法の影響」
- 文竣暎「韓国における伝統法文化研究の現状」
- 屋敷二郎「ヨーロッパの共通法(ユス・コムーネ)経験と東アジア」
- 林真貴子(近畿大学法学部准教授、日本近代法史)
- 宇野文重(一橋大学日本法国際研究教育センター非常勤研究員、日本近代法史)
- 馮玉軍(中国人民大学法学院副教授、法理学)
- 朱芝弘(釜山大学校法科大学助教授、民法)
- 水林彪(一橋大学大学院法学研究科教授、日本法制史)
- 姚 輝(中国人民大学法学院教授、民法)
- 文竣暎(釜山大学校法科大学助教授、法制史)
- 屋敷二郎(一橋大学大学院法学研究科准教授、西洋法制史)
[第1日目]
[第2日目]
[報告者の所属と専門]
第1日目は約80名、第2日目は約60名の参加があり、山内進(一橋大学副学長)・青木人志(一橋大学大学院法学研究科教授)の司会のもと、次に掲げる方々の有益なコメントを得つつ、活発な討論が行なわれました。
- 井上達夫(東京大学大学院法学政治学研究科教授、法哲学)
- 今井弘道(北海道大学大学院法学研究科教授、法哲学)
- 岩谷十郎(慶応義塾大学法学部教授、日本近代法史)
- 國分典子(筑波大学大学院人文社会科学研究科教授、韓国憲法・法思想史)
- 鈴木 賢(北海道大学大学院法学研究科教授、中国法・台湾法)
- 高見澤磨(東京大学東洋文化研究所教授、中国法)
- 安田信之(関西大学政策創造学部教授、アジア法・開発法学)
来年度は、中国人民大学において、研究の歴史と現状について考察した今年度の成果をふまえつつ、19世紀末から20世紀初頭の時期の日本・中国・韓国における近代法の継受そのものを実証的理論的に解明するためのセミナーが開催される予定です。
なお、セミナーに先立ち、前日の11月16日に、韓大元・中国人民大学法学院副院長、金尚永・釜山大学校法科大学長をはじめとする両大学関係者の臨席のもと、本事業の発足記念式典が開催されました。
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