自閉症スペクトラム障害

 

よくある困りごと
他人との意思や情緒の疎通が苦手

「一緒に食べるとおいしいね」と言われてもピンと来ない。食事は誰と食べても味は変わらないし、人と話すと疲れるからゼミのコンパや飲み会に参加したくない。


同じ状況や決められたことへのこだわりが強い

いつも座っている座席に座られてしまって、どこに座ったらいいのかわからなくなって欠席した。


柔軟な対応ができない

素早い状況への対応が弱く、指名されて発言しなければいけない講義が苦手。


行間を読んだり、暗黙の了解が理解し辛い

講義で、「自由に3人組になって」と言われると、誰と組んでいいかわからずいつも余ってしまう。


感覚異常がある
  • 聴覚過敏:大教室で授業中のヒソヒソ声が先生の声と混ざってうまく聞き取れない。
  • 感覚鈍麻:季節に関わらず同じ服を着ている。

認知機能の偏りがある
  • 視覚優位:教科書や資料の理解は問題なく、小テストではいい点数が取れるが、ディスカッションになるとついていけない。
  • 聴覚優位:本に書いてあったことは理解できなかったり理解するのに時間がかかったりするが、先生に直接質問して教えてもらえれば理解できる。

 

支援を受ける方:実際の配慮例
詳細なシラバス

自分に適した授業を選択することが重要であり、シラバスから、講義の内容、形式(ディスカッションの有無、頻度、指名の有無など)、評価方法(試験かレポートかなど)を判断基準にするため、公開して頂けるよう依頼する。


座席配慮

周囲の人の話し声が気になったり、決まった席でないと座れない場合、座席を指定して頂けるよう依頼する。座席指定マークを卓上に示す。


教示方法の調整

耳から入る情報に苦手さがある場合には、口頭の説明だけでなく、板書等の視覚的な情報としても提供してもらえるように依頼する。逆に、目から入る情報に苦手さがある場合には、板書などを読み上げてもらい、音声の情報としても提供してもらえるように依頼する。


評価方法の調整

書くことに苦手さがある場合には、レポートの課題提示を早めに知らせて頂いたり、提出期限を延長をして頂けるよう依頼する。試験の場合には、試験時間の延長をして頂けるよう依頼する。

 

支援を行う方:留意点・配慮例
詳細なシラバス

どのような形式で講義を行い(グループワークがあるのか、プレゼンやスピーチがあるのか、指名されるのか、板書が多いかなど)、どのように成績評価を行うのか(評価基準や評価方法)、学生が自分に合った履修計画や支援計画立てるために必要な情報です。可能な限り具体的に記述をお願いします。


受講ルールの明確化

一般的な暗黙のルールがわからない場合があります。例えば、一人の学生が個人の関心や疑問について多くの質問を繰り返す等により、授業の進行が著しく制限されたり、他の受講生の学習に支障が出たりするような状況であれば、質問の時間や回数に制限を設けることを、直接伝えるなど、ルールを設置し明確化することが必要な場合があります。


指示や質問の明確化

「どう思う?」などの漠然とした質問や、「簡単にまとめる」などの曖昧な表現を理解できない可能性があります。「AとBではどちらが優れていると思うか、理由を挙げてください」「○○字以内でまとめる」など、より具体的な形に指示を置き換えることで、学生が答えやすくなることがあります。


教示方法の支援

見る/聞く/話す/書くなど、得意なことと不得意なことの差が著しい場合があります。学生の苦手さ(症状の程度)に応じて、複数の情報源があるように(例えば、口頭で言うだけでなくプリントも配布する、板書だけでなく読み上げて頂く、など)、調整して頂く必要がある場合があります。


     

     

     







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