読字の障害を伴う限局性学習障害(ディスレクシア)
読字の障害を伴う限局性学習障害(ディスレクシア)とは
知的に問題はなく、視覚・聴覚の器官の異常がないにも関わらず、読み書きの能力に著しい困難を持つ症状を言います。 読む、書く作業に通常より多くの時間が必要です。音声情報に変換したり、表示を工夫したりする支援が必要です。 同じディスレクシアでも、見え方は人により様々です。
- 文字を読むことに苦労する・時間がかかる
- 文字が躍る、動く、ねじれることで、どこにどの文字があるか分からない。
- 文字を1つ1つ拾わないと読めない(逐次読みをする)。
- 読んでいるところを指で押さえたり、枠で囲ったりしないと読めない。
- 文字間や単語間が広い場合には読めるが、そうでないと誤りが増える。
- 文末などを適当に変えて読んでしまう。
- 文字を書くことに苦労する・時間がかかる
- 書き写そうとすると、どの文字をどこに写していたのか分からなくなってしまう。
- 書くべき欄からはみ出て書いてしまう。
- 「ょ」「っ」など、特殊音節を抜かして書いてしまう。
- 「め」と「ぬ」など形が似ている文字を間違えて書いてしまう。
- 文字情報を音声(もしくは音声に変換可能なデータ)として提供
配布資料、教科書、参考文献、講義で使用するパワーポイント、試験問題などの文字情報を、音の情報にして頂けるよう依頼する。
(例)
・その場で先生やTAが読み上げる。
・先生やTAがあらかじめ読み上げた録音データをもらう。
・事前に電子データにしてもらい、音声読み上げソフトで聞く。
・試験時、問題文を先生に読み上げてもらう。
- 書字の補助
ノートを取ったり、出席票を書いたり、試験への回答には、十分な時間の確保や、補助器具の利用を許可して頂けるよう依頼する。
(例)
・試験時間を延長する。
・試験で、口頭での解答を許可してもらう。
・講義にノートテイカーを配置する。
・PCでのノートテイクを許可してもらう。
・板書を読み上げてもらい、録音する。
・板書の写真撮影を許可してもらい、自宅でゆっくりノートを取る。
- 文字情報の音声化
講義で用いる教科書、配布資料、参考資料、試験問題などを、音声化して学生にお渡しください。音読、音読録音、代読、電子データの事前提供(読み上げソフトを利用する)など、方法は様々です。ただし、読み上げソフトを利用する場合、特に専門的な言葉や特有の言い回しなどは誤読されてしまう可能性もあります。重要な単語や試験時などには、特にご注意いただく必要があります。
- 板書の読み上げ
可能な限り板書の読み上げをお願いいたします。すでに配布されている資料を読み上げている場合や話していることの補足の意味での板書はその限りではありません。
- 板書や配布資料のレイアウトの配慮
小さい文字や行間の詰まった文章は特に読み取りづらいです。板書や配布資料は大きめの文字、広めの行間を心掛けて頂くようお願いします。
- 電子機器の使用・持ち込み
PC、タブレット、録音機器、写真機など、学生の障害特性に応じて授業内での持ち込みや使用のご許可をいただく場合があります。
- 提出物の形態変更
授業時間内に意見や感想、出席カードなどの提出が必要な場合には、パソコンで書いたものを後日メール等で提出させたり、代筆を認めたりするなどの対応をお願いします。また、レポートや試験答案の作成時に、パソコン使用または代筆等による解答を認めていただくこともあります。