学長メッセージ

一橋大学が求める人材は、「組織を創る、組織を変える 当事者」です。


学長

  一橋大学は、1875年に商法講習所という小さな学校から出発して以来、教職員、学生、卒業生、支援者の強い思いに支えられ、ひとつひとつ手作りで、卓越した社会科学の総合大学としての今日の姿を築いてきました。ことし2025年に創立150周年を迎える私たちは、「ひとつひとつ、社会を変える。」を合言葉に、日本と世界の社会課題解決に貢献する世界最高水準の研究教育・人材育成の拠点としての役割を果たしていくために、一橋大学のいっそうの成長に向けた改革の努力を重ねています。


  私たちは、大学のあり方そのものが大きく変わろうとしている時代の転換点に直面しています。特に、日本における18歳人口の急激な減少という社会的な背景の中で、国立の高等教育研究機関として、一橋大学は、自らを「ひとつひとつ」変えていくことを通じて、日本の社会科学系大学の改革を牽引するとともに、望ましい未来に向けて、「ひとつひとつ」、社会を変えていかなければなりません。この大きな変革を支え、リードしていくのが、事務職員のみなさんです。


  大学の事務職員に求められる業務は、総務・人事・財務といった基幹業務や、学生支援、研究支援、産学連携といった教育研究機関としての重要な業務に加え、財務健全性を維持するための予算編成の効率化や資金調達の戦略的アプローチ、データ分析を活用した意思決定支援、複数の専門領域を横断するプロジェクト管理、グローバルなネットワークの構築・運営、大学自身のグローバル化、そして社会的責任を果たすためのガバナンス強化などにも広がりを見せています。

  さらに、デジタル化が進む中で、ICTの活用やAIの導入、オンライン教育の拡充など、新たな分野にも対応できるスキルが求められ、従来の枠にとらわれない柔軟な対応が必要です。業務の範囲は今後さらに拡大し、ますます高度化・複雑化していきます。これからの時代には、ただ前例を踏襲するだけでは解決できない課題が次々と現れるでしょう。


  そんな変革の真っただ中で、業務を進めていくうえで、「こうだったらいいのに」「ああだったらいいのに」と感じる場面は必ずあるはずです。そのとき、誰かが変えてくれるのを待つのではなく、「自分が変えなければ」と自ら行動を起こし、大学をより良くするために、上司や同僚を説得し、共感を得て、実行に移すことができる人――それが「組織を創り、組織を変える当事者」であると私たちは考えます。


  私たちは、変化を恐れずに新しいアイデアや方法を積極的に取り入れ、主体的・自律的に業務を遂行し、ともに成長できる人材を強く求めています。


  あなたの行動力や責任感を後押しするため、仕事を通じた成長の機会はもちろん、ジョブローテーションや人事交流、豊富な研修など、さまざまな成長のチャンスを用意しています。ただし、その機会を活かすためには、何よりもあなた自身の意欲と積極的な姿勢が重要です。私たちは、挑戦し続ける力を持つ仲間を迎え入れ、ともに未来を築いていきたいと考えています。


  単に業務をこなすだけではなく、あなた自身が新たな価値を創造し、一橋大学の未来を形作っていくという大きな使命を担うことになります。もし、あなたが変革の一翼を担い、自分の力を試したいという情熱を持っているなら、ぜひ私たちと一緒に歩んでいきましょう。


一橋大学長 中野 聡   





Share On