一橋教員の本
AIテックを抑え込め！: 健全で役立つAIを実現するために私たちがすべきこと
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ゲイリー・マーカス著 ; 山田美明訳 ; 市川類解説 |
解説者コメント
皆さんの中には、普段からChatGPTなどの生成AIを積極的に利用している人も多いと思います。また、昨今の新聞・ネット上においては、生成AIに関連する多数の記事で溢れており、その中には、生成AIがいろいろな社会問題を引き起こしていることを示す記事も多々見かけるかと思います。
それでは、このような社会問題（社会的リスク：脅威）には、どのようなものがあり、また、このような問題を起こさないようにするためには、社会や政府は具体的にどのような取り組みを行う必要があるのでしょうか。このような取り組みのことをAIガバナンスと言いますが、本書は、このAIガバナンスの在り方を提言するものです。
筆者は、ニューヨーク大学の名誉教授で、本分野で著名なゲイリー・マーカス教授であり、世界のAIの中心地である米国における2024年ごろのAIガバナンスに係る主流の議論を知ることができる良書だと思います。本書では、特に大手AIテック企業の行動を批判しつつ議論を展開していますが、その際、大手AIテック企業が、何故そのような行動を行うのかということも考えながら読むと、更に深い洞察が得られると思います。