一橋教員の本
健康の社会的決定要因 : 「つながり」と地域の重要性 (一橋大学経済研究叢書 ; 68)
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小塩隆士著 |
著者コメント
一橋大学は、社会科学・人文科学に特化した大学なので、健康そのものについてじっくり考える機会はそれほど多くないかもしれません。しかし、健康は私たちの生活にとって極めて重要ですし、所得や働き方、学歴、社会との関わりなど、社会的な要因によって大きく左右されます。この本は、そうした健康の社会的決定要因について、大規模な社会調査データを用いていろいろ考察したものです。なかでも、私たちが他人とどのように接しているか、また、どのような地域に住んでいるかが健康にどこまで影響するか、という点に注目しています。
この本の叙述はすべて、私がほかの研究者の方々と一緒に国際学術雑誌に発表した、査読済みの英語論文がベースになっています。面倒な統計的処理に力を入れている面もあり、読みやすい本とはけっして言えません。でも、院生や学部生の皆さんが、どのような話の進め方をすれば修論・博論や卒論を仕上げることができるのか、少しは参考になるのではと思います。ぜひ手軽に手にとってみてください。