一橋教員の本
法と社会:基礎法学の歩き方 (一橋法学・国際関係学レクチャーシリーズ ; 2)
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一橋法学・国際関係学レクチャーシリーズ刊行委員会編 |
執筆者コメント
一橋法学・国際関係学レクチャーシリーズについて
本シリーズは、法学および国際関係学に関心のある人に、その全体像を手軽に把握してもらうことを目的として発刊しました。このシリーズで扱われるトピックは、多様化する国際紛争、人工知能の発達、ダイバーシティなど現代世界の諸課題から、法学および国際関係学分野の古典的な諸課題に至るまでさまざまです。本シリーズを通じて、読者は法学および国際関係学を大学で本格的に学ぶための基礎を固め、また現代社会を生き抜くうえで必要な法学および国際関係学の基本的な教養を身につけることができるでしょう。
第2巻『法と社会―基礎法学の歩き方』刊行のご案内
一橋法学・国際関係学レクチャーシリーズの第2巻は、『法と社会―基礎法学の歩き方』です。多くの人が「法学」と聞いてイメージするであろう、六法の条文を解釈する学問「じゃない」法学の世界を旅する8名と、そのあてどない旅の愉快な仲間である8名の外国語担当教員が、「一橋大学に入学したばかりの新入生が春学期の講義を受けながら読むことを想定して」執筆しました。法学部に進学すべきか迷っている高校生や、法学に関心のある他学部生・社会人の皆さんには、本書を通じて、法学部でしか学べない法学の豊かさ、奥深さを感じてもらえればと思います。
ところで、執筆者の一人であるY氏(私ではない)から、「一橋大学に入学したばかりの新入生」という想定レベルの解釈は、執筆者によってバラつきがあるのではないか、というご指摘をいただきました。なので、高校生の皆さんにはおなじみの「アレ」にならって、各章についてコメントをしておくことにいたしましょう。
※この評価は純粋に編者の独断と偏見によるものであり、それを信頼したことによって生じたいかなる不利益に関しても保証はいたしかねます。
易 | プロローグ | 寝っ転がって読むこと。クレーム禁止。 |
標準 | 比較法学 | 理論的・抽象的思考にまだ慣れていない人は動物の比較法文化を読んでからの方が吉かも。 |
やや易 | 比較法文化論 | ドイツ語やフランス語の引用を無視して読めば、難しいことは書いていない。 |
やや難 | 英米法 | 専門用語をメモしながら読まないと、何度もページを戻って確認する羽目になる。 |
標準 | 中国法 | 専門用語の見た目が同じだからといって油断しなければ、そんなに難しいことは書いていない。 |
難 | 日本法史(前近代) | なんで中国法より漢字が多いのか…真っ黒なページに耐えきる強い決意と覚悟をもって。 |
やや難 | 日本法史(近代) | 真っ黒なページは近代になっても続くが、内容は前近代ほど難しくない。 |
やや易 | 西洋法史(ローマ) | 重度の歴史アレルギーさえなければ大丈夫。 |
やや難 | 西洋法史(ビザンツ) | 何の役に立つの?と思いながら勉強するのは高校までで慣れてるから、17ページぐらい大丈夫だよね。 |
標準 | 西洋法史(ゲルマン) | 冒頭のドイツの判例の羅列さえ読み流せば、そんなに難しいことは書いていない。 |
難 | 法哲学 | これでも頑張って易しく書いてくれたのだと信じよう。信じる者はいつか救われる。 |
標準 | 英語 中国語 フランス語 | 他言語を学ぶということは、その価値観に触れることであり、自分自身を見つめ直すことだ。さて、本書を閉じて、明日の語学の予習を始めよう。 |
易 | ドイツ語 | 笑いながら読むのが正しい作法。 |
易 | エピローグ | 絶対に深読みしないこと。 |
さて、本書に続くシリーズ第3巻では、実定法学(法解釈学)の各分野を掘り下げていきます。どうぞご期待ください。(屋敷二郎)