一橋教員の本
実践的理由と規範 (基礎法学翻訳叢書 ; 第8巻)
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ジョセフ・ラズ著 ; 森村進訳 |
訳者コメント
法哲学の現代の古典の翻訳
本書は図書館に配架されるときには取り除かれるであろう帯の宣伝文句によれば、
「法哲学の巨人ラズの法哲学・規範理論における主著、待望の邦訳。
ルールはどのような意味で規範的なのか、そしてそれは普通の行為理由とどう違うのか、何が規範体系を体系化するのか、法体系は何によって区別され、その内容な何によって構成されるのか、「排除理由」概念を中心的なモチーフとして、規範性の統一的な説明への道を開く。」
という内容の本です。
私はいろいろな本の翻訳をしてきましたが、この本ほど面倒な文章だらけの本を訳したのは初めてです。著者は議論の厳密さを重視するあまり、二重三重に節や関係詞が重なり合う長大な文章を書くことを厭わないからです。しかし本書は1975年に初版が出版され、1990年に後記が加えられて以来、現在に至るまで分析法理学の分野における画期的業績として知られていますから、それを日本語でも読めるようにしたことはやりがいのある仕事でした。