一橋教員の本

刑事手続における検察の権限:日本と中国

刑事手続における検察の権限:日本と中国

一橋大学法学研究科刑事法部門編 ;王雲海編集代表(本庄武, 緑大輔, 酒井智之, 高平奇恵[ほか]執筆)
国際書院 2024年3月刊行
ISBN : 9784877913281

刊行時著者所属:
王雲海(法学研究科)

著者コメント

 2018年以来、一橋大学法学研究科は、中国人民大学刑事法律科学研究中心、中国刑事訴訟法研究会と一緒に、一橋大学中国交流センターの後援も得て、1年1度「日中刑事訴訟法国際シンポジウム」を開催している。初回のテーマは「刑事司法の改革」(2018年度)で、それ以後は「誤判の発見と救済」(2019年度)、「刑事訴訟における公判中心主義」(2020年度)、「刑事訴訟における訴追と公判」(2021年度)、「刑事手続における検察の権限」(2022年度)であった。

 本書は、2022年度のシンポジウムである「刑事手続における検察の権限」での報告、コメントを主な内容に、新たに書き上がった2つの章をつけ加えて、書籍化したものである。

 いまの世界は波乱万丈の時代である。犯罪と刑罰に関する刑事司法・刑事手続も例外なく、特にITやAIなどの情報技術の急速な発達と普及に伴って、新たな課題と問題に多く直面するようになっている。本書は、このような不安定で不確定の時代と状況のなかの刑事司法・刑事手続きの在り方を、「検察の権限」という視点から、日本と中国の刑事訴訟法の専門家によって、日中の比較を通じて、探ろうとするものである。刑事訴訟法などの理論研究だけでなく、刑事司法実務の改革に対しても大変有益な一冊となるはずである(王雲海)。



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