一橋教員の本
重要なことについて 第3巻
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デレク・パーフィット著 ; 森村進訳 |
訳者コメント
私が同時に訳書を刊行したピーター・シンガー編『何か本当に重要なことがあるのか? : パーフィットの倫理学をめぐって』の諸論文に対する回答としてパーフィットが書き下ろした書物ですから、『重要なことについて 第1巻・第2巻』とともにその本と併読することが有益です。
彼は本書において、それまでの著作と異なり、メタ倫理学上対立する立場と考えられている直観主義と自然主義と表出主義という三つの立場は矛盾せずに収斂しうるという大胆な主張を行いました。メタ倫理学に関心を持つ人にはぜひ読んでもらいたい書物です。
パーフィットは本書刊行の一か月足らず前に逝去したので、本書は彼の最後の著書になりました。(森村進)