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一橋大学発ベンチャーが「Forbes 30 Under 30 Asia 2021」に選出 身に着けたプログラミング能力が道を拓く

  • 一橋大学理事・副学長(企画・評価、情報化、監査担当)蜂谷 豊彦
  • 株式会社KOSKA 代表取締役CEO曽根 健一朗

2021年9月28日 掲載

一橋大学経営管理研究科修士課程2年の曽根健一朗さんは、株式会社KOSKAを学生起業し、多品種少量生産の原価管理自動化サービス「GenKan」をリリースした。このことが評価され、2021年4月、「Forbes 30 Under 30 Asia 2021」の「INDUSTRY, MANUFACTURING & ENERGY」カテゴリーに選出された。そこで、蜂谷豊彦副学長が聞き手となって、一橋大学での学生生活や創業の経緯、今後のビジョンなどについて語り合った。

蜂谷 豊彦氏 プロフィール写真

蜂谷 豊彦(はちや・とよひこ)

1985年一橋大学経済学部卒。1993年一橋大学商学研究科(現経営管理研究科)経営学および会計学専攻博士後期課程単位取得満期退学。学術博士(東京工業大学)。東京工業大学工学部システム工学科助手、青山学院大学経営学部講師、同学部助教授、東京工業大学大学院社会理工学研究科助教授を経て、2009年一橋大学商学研究科教授に就任。商学研究科長・商学部長を経て2018年副学長に就任。現在に至る。

曽根 健一朗氏 プロフィール写真

曽根 健一朗(そね・けんいちろう)

一橋大学経営管理研究科修士課程在学。一橋大学商学部で管理会計を学び、一橋大学大学院(経営管理研究科)に進学。原価計算研究学会の「IoTとコストマネジメント研究会」に参加。武州工業株式会社、丸和電子化学株式会社などの現場に通いつめIoTデータを利用した原価管理の実証実験を2年間行い、GenKanのα版を作成、2018年10月に株式会社KOSKAを創業。

「Forbes 30 Under 30 Asia」に選出

対談中の写真 1

蜂谷:まずは、「Forbes 30 Under 30 Asia 2021」への選出、おめでとうございます。受賞の連絡はどのように受けたのですか?

曽根:ありがとうございます。突然「ノミネートされた」との連絡があって知りました。そして、いくつかの質問に答えると、後日正式な受賞という連絡がありました。

「INDUSTRY, MANUFACTURING & ENERGY」カテゴリーのベンチャーで活動している若者は、そもそも少ないのではないかと思います。また、二回目の調達が数億円と大きくてたまたま目立ったという二つの要因で選出されたのではないのかと思っています。

蜂谷:謙遜されていますね。スタートアップはさほど資金が潤沢にあるわけではないでしょうから、こうして取り上げられることによるパブリシティ効果は大きいのでは?

曽根:私としてはなるべく目立ちたくないのですが、代表の立場にはそういった広報を担う役割もあるので、積極的に露出していかなければと思っています。

独自開発した原価管理自動化IoTサービス「GenKan」

蜂谷:では、創業された株式会社KOSKAについて伺います。どのような事業を展開されているのですか?

曽根:多品種少量生産の原価管理自動化IoTサービス「GenKan」を独自開発し、製造業のお客様に提供しています。多品種少量生産において、「製造の進捗状況が見えない」「製造にかかった時間がつかめない」「見積り原価と実際原価のズレが分からない」「多品種少量生産の現場には人が多く配置されがちで、非効率化の温床になっている可能性がある」といった悩みを抱える現場が数多くあります。「GenKan」は、①当該管理が必要なラインの作業位置にRFID(Radio Frequency Identification)リーダを設置し、RFIDタグを貼った作業指示書などをリーダの上に置くだけで作業の開始・終了時間を記録、②カメラセンサで作業員を自動検知し実働時間を把握、③以上のデータを集め、Web画面のガントチャートによってどの工程にどれだけ時間がかかり、どのくらいの人が稼動したのかをリアルタイムで把握、④見積り工数と加工費が実際とどのくらいズレていたのかを出荷時に把握、という四つの機能を提供するものです。これによって、生産管理に必要な現場の見える化から、収益性の改善につながる原価計算を一気通貫で行うことができます。小型のセンサをラインに追加して設置するだけなので、設備や作業手順に大きな変更を加えず、現場の負担を抑えて導入することができます。

「データをどう使えばいいかわからない」に応える

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蜂谷:導入する製造業には、どういったニーズが多いのですか?

曽根:IoTデータを利用して原価を改善させたいという企業です。お客様の中には既に有用なデータを大量に持っている大手のメーカーも少なくないのですが、意外にも実際にそれをどう使えばいいか分からないと悩む企業が多いんですね。そこで、「GenKan」で取得したデータと社内にあるデータを自動的に紐づけて、定期的な出力やリアルタイムにダッシュボードで状況を見られるようにするといった運用のコンサルテーションやサポートを行っています。「これとこれをつなげれば有効なKPI(Key Performance Indicators/重要業績評価指数)ができるのでは」などと提案すると喜ばれますね。

一方、中小企業には「GenKan」の初期導入だけを実施し、あとの運用は自助努力で行うというところが少なくありません。中小企業では、コンサルテーションに回す資金的余裕がないからではないかと見ています。大手のほうがコンサルテーションの要請が多いのは、知見を吸収しようという意向があるからではないでしょうか。

蜂谷:「GenKan」というネーミングは、"玄関"と"原価管理"を掛けてですか?

曽根:そのとおりです。原価管理をどうすれば良いかという簡単ではないテーマに対し、"入口"をつくるという意味合いでその二つの言葉を掛けました。

蜂谷:「KOSKA」という社名は、コストカットの略ですか?

曽根:最初は単純にそのつもりだったので、カタカナで「コスカ」にしようと思っていたのですが、大学院の研究室の尾畑裕先生にそう言うと「『コストカット』という言葉に悪いイメージを抱く世代がある」と指摘されたんです。そこで、1単位あたりの原価計算を表すドイツ語の「Kostenkalkulation(コステン カルクラチオン)」を略して「KOSKA」とすることにしました。「GenKan」のコンセプトがまさに製品一つひとつの原価をリアルタイムで追うところにあるので、それと近い概念の学術用語ならばいいだろうという判断です。

研究室の教授に同行して得た機会

蜂谷:原価計算や原価管理について、机上での学びと実際の現場とでは乖離があるのではないかと思いますが、どんなことを学べていますか?

曽根:現場で手軽にデータが取れる「GenKan」の開発に至った動機が、まさにその乖離だったんです。研究室の尾畑先生は日本原価計算研究学会の前会長で現在は常任理事を務めておられますが、先生について同研究学会とIVI(Industrial Value Chain Initiative)のミーティングに参加した時のことです。IVIは、ものづくりとITが融合した新しい社会をデザインし、あるべき方向に向かわせるといった主旨で企業の実務者が集まるフォーラムです。学会の教授方とIVIの実務者の議論が延々と噛み合わないんですね。1000ページほどの管理会計の名著を巡って、教授方は後ろのほうの100ページにある戦略的管理会計の話をしたいのに対し、実務側は前のほうの100ページの話が聞きたいというギャップがあったのです。前100ページがまだできていないから、どうにかコストをかけずにそれを片付けたいというニーズが実務側にはあったわけです。

蜂谷:戦略的管理会計に至る前に、もっと簡易的、現実的に原価管理をしたいということですね。

曽根:そのとおりです。実務側には、別に上場するわけではないから、そのための審査をクリアする原価計算基準に則る必要はないのだろうか?という思いがある。研究ではリッチな環境での最先端の管理を前提にするケースが多いのですが、実務では「誤差はどこまで許されるのか?」「どこからが間違いになるのか?」がわからず困っているというズレがある。しかし、管理会計の世界では"あるべき原価計算"を行う必要があるとの認識が強く、学会の教授陣もそこを突いているのです。ある自動車メーカーの模範的な管理手法の例を示されると、「うちではとてもそんなことはできない」という0か100かの判断を下し、結局やらないという結論になってしまうわけです。

原則と現実のギャップが製品化のヒントに

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曽根:よく考えれば、正しさを追求することが原価管理の目的ではなく、収益向上が目的であると。そのための管理会計や原価管理を行うには、企業内部にある情報を数値化できればいいわけです。そこに原則論は不要で、自社のルールで構わない。そのルールの最適解を見つけるのが、この領域での研究の面白いところではあるのですが。

大学院生である自分は、教授陣の話も理解できました。しかし、現場との乖離が大きくあり、これをどのように埋めるかが大変だろうと感じたわけです。

蜂谷:そのギャップを埋めることが「GenKan」のコンセプトになったわけですね。

曽根:はい。まず言っているのは、「誤差は許容する」ということです。データは欠けていたり、間違ったりすることもあるわけで、厳密に計算したらズレは出ます。そこは許容しても、管理指標として相対的にいい悪いが判断できることが最も重要なこと。したがって、最小限の努力でできることは何かを考えてつくりました。

蜂谷:ユーザーインターフェースにもこだわってつくっているとか。

曽根:現場で作業をする人は、普段統計グラフなども見ることはあまりないと思うので、ダッシュボードに表示する分析結果のグラフはどうすればわかりやすくなるかを研究しています。現場に導入する際も、このグラフはこういう見方をすべきものといった話をしています。

蜂谷:現場で使われないと意味がないですから、ダッシュボードは本来見やすいものでなければならないですよね。誰かが加工しなければわからない、といったものでは使われないと。

曽根:現場への導入は1か月ほどかけるんですが、慣れてくると複雑なグラフも理解していただけるようになりますよ。

当初は興味がなかった管理会計

蜂谷:素晴らしいサービスを提供されていることがわかりました。

さて、曽根さんが一橋大学に入学して管理会計を専攻された経緯を教えてください。

曽根:実は、会計とか簿記は最初は大嫌いだったんです。管理会計などには全く興味がありませんでした(笑)。結果的に面白くなりましたが。

高校時代に大学受験に直面した際、将来について考えたんです。死ぬ時に何かを遺せる人生を目指そうと、自分が死んだらおしまいなので、生きている間どれだけ楽しめるかを考えようと。元々はSFが大好きだったんです。『アイ,ロボット』というSF映画がありましたが、実際にそんな世界が見れたら良いし、自分もそんな世界づくりに関わってみたい、と。そんなキャリア観がありました。しかし数学が苦手だったので、理系の学部は難しい。ならば文系の、お金を集めて投資する側に回ろうと思い、商学部が強かった一橋大学が志望校として浮上した、という次第です。

でも、一橋はその数学も難しくて(笑)、一生懸命勉強したら楽しくできるようになりました。

蜂谷:起業する前はどんな学生生活を過ごしていたのですか?

曽根:学部3年次まではごく普通の成績の悪い学生でした(笑)。もっぱら、ブレイクダンスのサークル活動ばかりやっていましたね。

一方、プログラミングが好きで、3年からずっといろいろなものをつくって遊んでいました。2年次に、SFが好きだったこともあり、企業におけるイノベーションを研究する授業を受けたのです。英語のシビアな授業でしたが、やはりイノベーションは面白くて、企業内でイノベーションが起こる環境を研究してみたくなりました。そこで、Web上にある有価証券報告書を自動的に収集してデータベース化するプログラムをつくったのです。ベンチャー企業のデータも欲しくなって、ツイッターで知り合った、成功ベンチャーの傾向を分析しているベンチャーキャピタル(VC)の人に「こんなプログラムをつくって研究している。何か分析を手伝わせてほしい」とメッセージを送りました。そうしたら返事をもらい、親しくなりました。この時に知り合ったVCの方が、後日KOSKAへの出資を決めてくれることになりました。

また、3年次に1年間休学してシリコンバレーのスタートアップでエンジニアとして働き、プログラミングのスキルを磨き、スタートアップの在り方を学びました。

偶然が重なって起業に至る

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蜂谷:大学院に進んで尾畑先生の研究室を志望した経緯は?

曽根:学部4年次に就職活動もして、いくつか内定をもらうことができました。しかし、大学院に行ってもう少しやりたいことをやっておこうと思いました。尾畑先生の研究室を選んだのは、先生がシミュレーションの研究をされていて、プログラミングをすることができたからです。

先ほど、当初は管理会計に興味がなかったと言いましたが、興味があったイノベーションの研究は、論文を読んでもどこかフワッとしているのですね。どのような環境でイノベーションが起きたのかを定量的に測定することは難しいからです。そこで、何らかの視点を入れてイノベーションを把握することが必要だろうと。管理会計は、企業の状態を数値化することが全てです。ここにイノベーションの数値化を見出していけばいいのではないかと思えるようになり、管理会計や原価管理が面白くなりました。

蜂谷:そんな研究室の環境からKOSKAが生まれるわけですね。

曽根:尾畑先生から「企業のIoTデータを分析して、原価で何かできないかという企画があるけれど」と、先述の日本原価計算研究学会とIVIのミーティングへの同行を誘っていただいたのです。プログラミングができるエンジニアとして関われそうだと感じ、「何かお手伝いしますよ」とついていくことにした、という流れです。

そこで出会った武州工業さんというパイプ加工メーカーが「GenKan」開発のために現場を提供してくれたんです。社長には本当に良くしてもらいました。

思い返せば、学生時代に起業など当初は考えていませんでしたから、偶然が重なってKOSKAの起業に至ったと思っています。

学業と事業の両立は非常に難しい

蜂谷:偶然といっても、プログラミングを学んだり、VCの人と知り合ったり、シリコンバレーに行ったりと、自ら積極的にチャンスをつくろうとしていますよね。

曽根:自分がやったことはその三つぐらいですが、一橋大学の学部時代や大学院でやったことが、偶然全部つながった感じです。会計界にITに詳しい人がさほど多くなく、デジタル化がうまくワークしていないという現状の中、自分は意外に面白いことがやれそうだと感じられるようになりましたね。

蜂谷:現在はまだ大学院の学生でもありますが、ビジネスとの両立はできていますか?

曽根:1ミリもできていないです(笑)。というのも、VCから出資を受ける条件として、KOSKAにフルタイムで関わるという当然の条項があるからです。休学して取り組むことが基本ではありますが、僕の場合はたまたま尾畑研究室での研究がビジネスを伸ばすことに直結しているので、ゼミなどでの学業は認めてもらっています。

蜂谷:なるほど、もっともな話ですね。

曽根:一橋大学の学部生と話す機会が結構あるのですが、中には起業したいと言う学生もいます。しかし、良いアイデアを持っていても軌道に乗せるには5年はかかりますし、休学できないと無理だと思います。親も反対するでしょう。そこで、「起業はいつでもできる」と話すようにしています。

個人的には、休学はメリットこそあってもデメリットはないと思いますね。たっぷり時間が取れるし、休学できる2年間は学費も不要だし、前向きな理由であれば就活の障害にもならないからです。

蜂谷:どうしてもやりたいことで学生起業したいなら、休学してやればいい。それでダメなら、また学業に戻れば良いということですね。

やりたいビジネスをやってから研究に戻る道も

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曽根:そう思います。ただ、自分の場合はやや特殊で、3年次からプログラミングを相当な勢いで身につけ、フリーランスエンジニアとして月30万円、夏休み中にはと60万円は稼ぐようになりました。大学院の学費も全額自分で出しています。学生をやめてもいつでも仕事はある状況でしたが、研究が面白いから大学院に残ったという経緯があります。製品をつくって起業したから、結果的に休学をしなければならなくなった、という流れなので、レアケースかもしれません。

蜂谷:その休学期間の2年間が明けましたが、延期したわけですね?

曽根:親に「もう続けられないから退学する」と言ったら、「学費を出すから修了できるまで籍を置いておいた方がメリットはあるのではないか」と言われたのです。そのとおりかな、と思ってそうしたら、その1か月後にForbesから連絡がありました。親に言われていなければ、僕は今ここにはいないでしょう(笑)。

蜂谷:確かに(笑)。ここまでくれば退学も選択肢として当然あると思いますが、大学や研究室とのつながりはずっと持っていた方がいいですね。

曽根:研究自体はやりたいんです。やりたいビジネスをやってから大学に戻るという選択肢もありだと思っています。この分野はそう簡単に開拓されないでしょうから、時間をかけて取り組んでいきたいですね。

ベンチャーはいつ潰れるかわからない、と自戒しています。潰れたら潰れたで、無駄なことをしたとは全く思わないでしょう。良いメンバーとチームを組めていますし、また一緒に何かやれると思っています。そういう点では、失敗を恐れるといったことは全くありませんね。

失敗を恐れずに済む環境がある

蜂谷:ベンチャーを起業してみて、現在の起業環境はどう感じていますか?

曽根:会社経営に失敗したら個人保証で会社の債務を返済しなければならず、即ち終焉を意味するといった時代がかつてはありました。今はそのような環境は一変していると思います。今のVC界隈はチャレンジを誉める風潮が強く、全力で真剣に挑んだ結果の失敗ならば「金を返せ」「次はない」などと言われるのではなく、「ナイストライ!」と言ってもらえるようになったと思います。

Airbnbなど大成功しているベンチャーは、そもそも無謀なチャレンジから始まっていますね。投資家は皆反対したようなチャレンジでした。99%は失敗する。でも1%の大成功に賭けようということだと思います。僕も、投資してくれたVCには、しっかり利益を出して恩返ししたいと思っています。

蜂谷:失敗が糧になると受け止められるようになっているのですね。それに、成功するには運も必要なのでしょうね。

曽根:どれだけやるべきことをやっても、製品のヒットには運が必要だと思います。宝くじみたいなものかもしれません。しかし、運をもたらすのもどれだけ地道に努力しているかが大きいのだろうとは思います。

"一橋大学発ベンチャー"支援への期待

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蜂谷:今日の曽根さんの話を聞いて、大学で学んだことを存分に活かしてくれていると、教育人としてありがたいと思いました。一橋大学に期待することはありますか?

曽根:基本的に、一橋大学にいたことには満足しています。ただ、これは仕方がないかもしれませんが、プログラミングを学べる環境がなかったことは残念でしたね。

蜂谷:理系がある大学とはそこが違いますね。けれども、一橋大学にも「ソーシャル・データサイエンス学部・研究科(仮称)」ができる予定です。

曽根:そこは大いに期待しています。ちょっと前まで、尾畑ゼミで学生にプログラミングを教えていました。一橋大学にもプログラミングを学びたいという学生は少なくないですね。そして、数学ができる学生など、プログラミングのセンスがある学生がいるんです。これまで100人ぐらいの学生に教えましたが、その中から大手IT企業に就職してエンジニアとして活躍している人もいれば、自分が4年ほど苦労して独学で身につけたスキルを1年ぐらいで身に着ける優秀な学生もいます。一橋大学の学生は頭が良い人が多いので、飲込みがよく伸びるのが速いですね。

蜂谷:ぜひ、これからも一橋大学で教えてください。

曽根:喜んでやらせてもらいます(笑)。あと、期待したいことは、一橋大学発ベンチャーへの投資ですかね。100億円ほどのファンドを持って自学発ベンチャーをインキュベートしている大学がありますが、そういった面には物足りなさを感じます。

蜂谷:工学部がないとなかなか難しいのかもしれませんね。

曽根:一方、卒業生に投資側の人が多いというメリットはあります。また、大手企業の経営幹部が数多くいる如水会とのネットワークも活用できればありがたいですね。

蜂谷:参考になります。今日はどうもありがとうございました。