"データサイエンス"の時代、一橋大学と企業で"Win-Win"の関係を
- 三菱地所株式会社取締役会長/一般社団法人如水会理事長杉山 博孝
- 一橋大学長中野 聡
2020年11月19日 掲載
一橋大学の同窓会組織として、同窓生の交流や社会的活動の基盤を担ってきた如水会。その寄付金により多くの在学生が海外留学を経験するなど、大学運営に対しても多大なる貢献を果たしている。現在、その如水会の理事長を務めているのは、三菱地所株式会社取締役会長の杉山博孝氏。ビートルズマニアとして知られ、一橋大学経済学部在学中から今日まで、一貫して長髪がトレードマーク。そんな杉山氏と学生時代やビジネスの話、目下のコロナ禍による環境変化や、一橋大学への今後の期待などについて語り合った。
杉山 博孝(すぎやま・ひろたか)
三菱地所株式会社取締役会長 一般社団法人如水会理事長
1974年一橋大学経済学部卒。同年4月三菱地所株式会社入社。同社社長室企画部副長をはじめ人事部門、企画部門、経理部門、総務部門において要職を歴任後、2007年取締役常務執行役員に就任。2010年取締役専務執行役員、2011年取締役社長、2017年取締役会長に就任、現在に至る。2019年6月如水会理事長に就任。
中野 聡(なかの・さとし)
一橋大学長
1983年一橋大学法学部卒、1990年一橋大学社会学研究科博士後期課程単位取得退学。1996年社会学博士(一橋大学)。研究分野は地域研究、アメリカ史、フィリピン史、日本現代史、国際関係史。1990年神戸大学教養部講師、同大国際文化学部講師、助教授を経て、1999年一橋大学社会学部助教授、2003年同大学院社会学研究科教授を歴任。2014年同大学社会学研究科長、2016年同大副学長を経て、2020年一橋大学長に就任。
自由で楽しかった
青木外志夫ゼミ
中野:本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、杉山さんが所属されたのは、本学の名誉教授まで務められた青木外志夫先生のゼミだったそうですね。
杉山:そうです。とても優しい先生で、卒論は何を書いてもいい、と言ってくださいました。加えて当時の青木先生は、経済学部長の要職にあり、多忙でした。ゼミ生はみんな好き勝手やっていましたね。
中野:青木先生の後輩に当たる、同じく本学名誉教授である寺西俊一先生が環境経済学というユニークな分野で研究を始めた際に、種瀬茂先生と併行して青木先生の指導を受けたと回想していますが、これも、青木先生の研究室が極めて自由で懐深かったからなのでしょうね。
杉山:分かります。私も、青木ゼミでは何をやらなければならないといったことが何もなかったので、楽しく過ごせました。
中野:杉山さんは学生生活をどのような感じで過ごされたのでしょうか?
杉山:我々の頃は、1、2年は小平キャンパスで、3年から国立でした。入学してからしばらくは様子が分からないので大学ヘは毎日通って授業に出ていましたが、要領を覚えた3年の秋頃になると、とても真面目な学生とは言えないほど、自由な学生生活を謳歌していました。
学生時代から
長髪がトレードマーク
中野:学生時代から長髪がトレードマークだったのですか?
杉山:そうです。それ以来ずっとです。
中野:三菱地所の社長、会長としても長髪で通されてきたわけですね。
杉山:「おかしいんじゃないか?」と随分言われましたよ。社長に就任した時、リスクマネジメントのプロや服のコーディネーターから指導を受けたのですが、その先生が前任社長に「髪を切るよう言ってもらえませんか?」と進言したそうです。前任社長は「その長髪でも社長に選ばれたんだから、それでいいんじゃないのか?」と言ってくれたそうですが。まあ、三菱グループのトップとしていかがなものかという意見があることは承知しています。
中野:型破りですね(笑)。
杉山:恰好だけは(笑)。
中野:音楽、中でもビートルズがお好きなことも影響しているのでしょうか?
杉山:私は団塊世代の最後の年代ですが、同年代の長髪は普通でした。ビートルズは確かに大好きでしたが、その影響ならマッシュルームカットですね(笑)。むしろ、面倒で伸ばしていた部分が大きいです。それと、私はくせ毛で、短くすると収まりが悪いんです。伸ばしたほうが収まりが良くなるんで、それでという面もあります。
中野:杉山さんの学生時代にヒットした、「ヘアー」というロック・ミュージカルがありました。ラストで長髪ヒッピー世代の主人公が軍隊に入隊して髪をショートにするシーンが描かれていましたが、日本の団塊世代も就職する時は髪をバサッと切ったのではないかと思います。杉山さんはどうされたんですか?
杉山:面接の時はやや短くしましたが、ほかの同期入社の人より長かったです。でも、入ったらこっちのものだと。
中野:あまりうるさく言われなかったわけですね。
杉山:三菱地所は堅そうなイメージがあるかもしれませんが、かなり自由な会社なんです。ただ、人事部に異動した時、上司から「ハサミを持って追いかけてやる」と言われたこともありましたが(笑)。「長髪だと、学生も親しみを感じてくれるのではないか」などと言い訳していました。人当たりは柔らかいと言われていましたが、頑固なところもあるのでしょうね。
800人の全社員を覚えたことが
人事部時代の仕事のベースに
中野:人事部に長く在籍されたそうですね。
杉山:二度で合計13年です。
中野:これまで、人事部門から全社まで組織をまとめてこられたご経験のある杉山さんにぜひ伺いたいことがあります。学長に就任し、一橋大学の特徴として「卓越したコミュニティ」というキーワードを使っています。小規模で学生と教員が近しいところや、キャンパスのある地域や海外の大学とも緊密に関わっているところなどから、そのような表現を考えたわけです。ところで、コミュニティを構成する教員や職員は、長く働いていく中で多様な変化にさらされ、さまざまな立場に立たされていくわけですね。そこは企業も同じだと思いますが、多様な人たちをどうやってまとめていけばいいか、アドバイスをいただければと思います。
杉山:私が一橋大学を選んだのも、三菱地所を選んだのも、どちらも少人数でコミュニケーションが取りやすいことを期待したからです。一橋大学に入学した時は1学年650人ぐらい、三菱地所は入社当時800人ぐらいでした。今でも地所単体では900人程度です。人は人を2000人ぐらいまで覚えられるという説がありますが、その半数です。また、上下がフラットな社風で、さほど上下関係を気にする必要もありませんでした。ですから私は、全社員を覚え、誰とでも気軽にコミュニケーションを取るように努めました。それが人事部時代の仕事のベースになりましたね。
中野:三菱地所も「卓越したコミュニティ」であるわけですね。
杉山:たまたまそういった恵まれた環境があったということだと思います。一方、社長に就任し、経営計画を立てる時にトップが一方的につくるのではなく、社員の意見も取り入れるべきと、若手と議論して作成したこともありました。だからといって、みんながみんな腹に落としてくれるということには必ずしもならない。コミュニティをどう動かせばいいかは、永遠の課題かもしれませんね。
関東大震災での救護を機に
続けてきた訓練が生きる
中野:一橋大学の教職員は500人あまりしかいませんから、私も全員を覚えなければなりませんね。まずはそこから始めたいと思います。
ところで、杉山さんは東日本大震災直後の2011年4月1日に社長に就任されたそうですね。不動産業界のリーディングカンパニーとして、被災地の復興支援や再開発といったことにも力を発揮されたと思います。そこでも、利害や意見を異にする人たちがいて、まとめていかなければならなかったのではないかと察します。
杉山:社長への就任発表は2月中旬でした。就任した時から始まる新中期経営計画はでき上がっていたのですが、震災でどこまで実行できるかが不透明となり、発表を延期しました。そのプロセスはいろいろ大変でしたね。また、三菱地所は震災前から仙台で大規模な街づくりを手がけていたので、震災後すぐに復興に向けた活動を始めました。実は、はるか以前から会社として災害発生時のシミュレーションや訓練に取り組んできていたので、復興支援活動には異論もなくスムーズに着手できました。私自ら災害対策副本部長のポジションに就き、夜も会社に残っていたのですが、若手が自主的に動いてくれたので私は了承するだけでした。ボランティア活動にも多くの社員が出てくれました。あの時は社員が一丸になりましたが、日頃の訓練が無駄ではなかったと再認識できました。
中野:はるか以前から災害時に向けた訓練に取り組んできた原点とは、1923年9月1日に発生した関東大震災だと伺いました。
杉山:旧丸ビルが竣工した直後に、関東大震災が発生したのです。幸いビルは大した被害を受けずに済み、当社は焼け出された被災者を救護する場所をつくって対応したそうです。それ以来、毎年9月に災害訓練を行っています。若い頃は「実際に役に立つのか?」と思ったこともありましたが、東日本大震災で必要なことであると認識できました。
街づくりはハードではなく
ソフトが大事
中野:そして今は、新型コロナウイルス感染症で空間をリソースとする業界はどこも大変な影響を受けていますね。仕事ができないというダメージを受けている業界も増えていると思います。
杉山:事態は深刻ですね。当社の場合、2年前現在のオフィスに移転した際、フリーアドレスにしてリモートワークも始めました。ですから、コロナでいざリモート、となっても、社員に抵抗感はなかったようです。しかし、生産性がどうなったかは検証する必要があります。本業にどんな影響が及んでいるのかリサーチを指示しているところですが、先々まで含めてなかなか読み切れないですね。
中野:本業といえば、20年ほど前から丸の内の再開発が続いていますね。その先頭に立たれているわけですが、丸の内も一つのコミュニティとすれば、その中でいろいろな意見が出ているのだろうと思います。そういった意見をまとめて前に進めていくのも大変ではないかと思います。
杉山:1998年に丸ビルをつくるところから再開発が始まりました。10年ごとに大きく見直していますが、今後はコロナの影響で変えていくところがたくさん出てくるでしょう。これまでは、28万人の人が毎日丸の内に通勤して働いていました。コロナの後は、多様な就業者100万人が最適な時間に集まり、交流して価値を生み出す。そんな街にしていきたいですね。
中野:なるほど。
杉山:私は、街づくりはハードではなくソフトが大事だと言い続けています。ハードは誰でもつくれるが、ソフトはその街で過ごし、その街をよく知っている人でなければ難しい。どうつくり上げれば訪れる人たちが楽しく過ごせる街にできるか、そんな視点が大事だということです。
コンプライアンスは企業が
社会に受け入れられる条件
中野:まさしくコミュニティとしての場づくりですね。杉山さんは、CSR(企業の社会的責任)が言われ始めた頃から当該業務を担当されたそうですが、さらにSDGsといった新しい理念が外から入って来ていますね。企業として元から持ち続けている伝統的な理念があったうえで、さらに新しい考えが付加されたように見えますが、どういった変化を感じていますか?
杉山:日本企業の多くは、CSRやSDGsが言われる前からそういった思いは持っていたと思います。先の震災の話ではないですが、いざという時に会社として何ができるか、何をすべきかは、暗黙のうちに共有してきたのではないでしょうか。後から取ってつけたものではないと思います。私は会長に就任して業務執行から離れて以降、いろいろなところから講演を依頼されるようになりました。そこでは、以前当社グループが起こしたいくつかの不祥事について、あえて語るようにしているんです。聞いている方々の参考になればという思いとともに、当事者の自分が語ることで常にそのことを思い起こし、きちんとやらなければならないと自戒を込める意味もあります。コンプライアンスを厳しくし過ぎると活力が削がれるという意見や、コンプライアンスはコストに過ぎないという意見もありました。しかし私は、コンプライアンスは社会に受け入れられる企業になるための最低限のことであると考えています。
中野:それが、長く続く企業の条件ということですね。
ソーシャル・データサイエンス学部・研究科(仮称)
新設の意義と期待
中野:引き続き、杉山さんのご経験から伺いたいことがあります。一橋大学はこのほど、国から指定国立大学法人の指定を受けました。その構想の柱の一つが、ソーシャル・データサイエンス学部・研究科(仮称)の新設で、私は学長就任早々、設置申請に向け音頭をとっているところです。昨年、文科省が発表した国立大学改革方針には「文理横断的・異分野融合的な知を備えた人材の育成」という表現があるのですが、データサイエンスは元々理系とされてきた分野で、一橋大学は文系とされてきた社会科学系の大学です。その社会科学においても、現実の社会の動きをデータでとらえ、実証的に分析し、問題を組み立てて解決策を模索するなかで、統計学を中心にデータサイエンスが大きな役割を果たしています。また、一橋大学は昔から入試における数学の難易度が高く、数学が得意な学生が多く入学している点でデータサイエンスには高いポテンシャルが備わっています。そんな本学に新設されるソーシャル・データサイエンス学部・研究科(仮称)は、まさしく文理融合の象徴といえます。そこで伺いたいのは、今企業などからどんなデータサイエンスが求められていて、一橋大学の新設学部には社会へのどのような貢献が求められているかということです。三菱地所においても、ビジネスでデータを扱う難しさを感じているのではないかと思うのですが、そのへんはいかがでしょうか。
杉山:当社もさまざまなデータを蓄積してきましたが、それを積極的にビジネスに活かすということになかなか思い至らなかった面があります。しかし、これからそこは大きく変わっていくでしょう。一例を挙げれば、丸の内の再開発に当たり、訪れる人が街に何を求めるのかをデータから探るということをしています。たとえば、日陰の場所だけを通って目的地まで行けるかリサーチしたり、どんな時にどれぐらい時間をかけて通っているのかを調べたりといったことです。また、健康的な街づくりをしたいと、団体をつくってここに集まる人の健康診断データを取るといった取り組みもしています。そういったセンシティブなデータも慎重に扱いながら、人々から望まれる街の姿をしっかり理解し、イメージしなければこれからの街づくりは難しいと考えています。そのように、データから何に気づいて何をどう構築し、社会に活かしていくかが問われていくでしょう。また世界では、科学、技術、工学、数学からなる"STEM教育"が重視されています。今ではそこにリベラル・アーツの"A"が加わっていますが、まさに文理融合ですね。ですから、ソーシャル・データサイエンス学部・研究科(仮称)の新設は、まさにタイムリーな動きだと思います。当社ともいろいろ共同研究していければいいですね。
中野:他学にもデータサイエンス系の学部が続々とできつつありますが、一橋大学は"ソーシャル"をつけたところに独自性を出しているので、そこが頑張りどころだと思っています。スマートフォンやGPSの活用が普及してビッグデータが蓄積されるようになりました。そこから、誰もが気づかなかったことを社会科学的に掘り起こせる可能性があると思います。
杉山:重要だと人に言われて初めて気が付くことがよくあるので、研究している側も重要なデータだと気づいていないことがたくさんあるのではないでしょうか。街は刻々と変化し、その魅力も常に動いています。今は再開発が盛りの渋谷や高輪ゲートウェイ界隈に人気があるでしょうが、人がなぜその街を選ぶのか、掘り下げると面白いと思います。データは理系の領域と思われがちですが、そのデータを世の中のためにどう活用するかは社会科学の領域に関わるのではないでしょうか。そんな研究に期待しています。
コロナの影響と
今後の動き
中野:気付かなかったといえば、新型コロナウイルス感染症には世界が不意打ちを食らいました。IT環境が普及していなかったら、今頃どうなっていたかと思います。一橋大学では、春夏学期の半年間はキャンパスを閉鎖し完全なリモート授業体制となりました。それまであまり社会に知られていなかったWeb会議システムが瞬く間に爆発的に広がり、トラブルもなく便利に使えることにも驚かされました。リアルよりもオンラインの方がいいという人さえいますが、学生の間では、キャンパスに行かなければ大学ではないという意見も強いようです。特に1年生は、一度もキャンパスに行けない半年間を過ごさざるを得ず、課外活動もできずかわいそうな思いをさせてしまいました。いずれにしろ議論百出の状態ですが、企業も同様ではないかと思います。
杉山:当社も今年は入社式も集合研修もできず、緊急事態宣言が解除されるまでの2か月ほどは完全リモートでした。その後、配属先に入ったわけですが、週に2日しか出社できないという状態で慣れるのに大変だったろうと思います。そういった中でコミュニケーションをどう取っていくかは大きな課題ですね。Webでできること、フェイス・トゥ・フェイスでなければできないことをしっかり整理していく必要があります。
中野:本学は9月に早くも来年度の方針を決めました。現時点では、来年度も、対面授業を行う際は、各教室最大定員の2分の1程度を上限とし、感染症拡大防止策を取った上で行うこととしています。その背景としては、新型コロナウイルス感染症が落ち着くまで、まだまだ時間がかかるだろうとの読みがあります。学生の課外活動は大きく制限されて気の毒ですが、この機会を前向きにとらえ、いい学びの場にしてほしいと話しています。とはいえなかなか大変だろうとは思いますが。
杉山:リモートワークはいずれ広まることだと思っていましたが、新型コロナウイルス感染症でそれが予想以上に早く、大きな規模でやってきたということでしょうね。リモートワークには、通勤しなくていいなどのプラス面もありますが、学生はそうも言っていられない面もあるでしょう。とはいえ、リモートで浮く時間ができると思いますが、その有効活用が非常に大事だと思います。
中野:そのとおりですね。
如水会への期待と
企業との関係づくり
中野:さて、杉山さんは如水会の理事長に就任されたわけですが、如水会のネットワークを通じた卒業生の皆さまからの有形無形の力添えは、本学にとって極めて大きな存在です。本学の収入に占める寄付金の比率の大きさはかねて高く評価されてきました。如水会の個人会員などの篤志の賜物です。新学部の設置などにともない、さらに寄付金を増やす必要があると考えています。さらなるお力添えをいただきたいと思っています。
杉山:状況はよく理解しています。如水会の活動目的は、会員間の親睦を深めることと、一橋大学を支援することが柱です。その絆をより固くして、どういった支援に広げていけるかに取り組んでいきたいと思っています。
中野:そのためにも、個人会員だけでなく、企業とも目的を共有してともに活動していく機会を増やしていきたいですね。特にソーシャル・データサイエンス学部・研究科(仮称)は、企業との連携がきわめて重要な課題になると考えていますので、如水会のネットワークには大いに期待しているところです。
杉山:すでに東京商工リサーチと経営管理研究科、帝国データバンクと経済学研究科など、いくつか企業と連携する取組も始まっていますが、素晴らしい動きだと思います。そのようなWin-Winになれる関係を数多くつくり、研究を広げていくことが大事でしょうね。
中野:では最後に、本学に期待することを伺えればと思います。
杉山:以前から言われていることかと思いますが、一橋大学は社会科学の総合大学として社会に多大な貢献をしてきていると思います。そのことを、あらゆる機会を通してもっとアピールしてもいいのではないでしょうか。
中野:そのように努めていきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。