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水道水における有機フッ素化合物について

 水道水における有機フッ素化合物(PFOS及びPFOA)※1 について様々な報道がなされています。これらについて、現時点で世界的に法的な規制値を設定している国はなく、米国、ドイツ、英国等で目標値等が設定されていますが、現在も検出状況の把握や最新の科学的知見の収集が行われていることから、その値は各国で異なっている状況です。世界保健機関(WHO)においても、PFOS 及びPFOA について暫定ガイドライン値を設定しようとする動きがあり、それらを踏まえ、国内の水道水及び水環境に係る目標値等については、国(政府)が令和2年4月1日に「水質管理目標設定項目」として位置づけ、暫定目標値※2 は「PFOS及びPFOAの量の和として50 ng/L※3以下」となっています。この目標値等については、現在も国(政府)の水質基準逐次改正検討会(厚生労働省)やPFOS・PFOAに係る水質の目標値等の専門家会議(環境省)などで更に検討が進められているところです。

 本学では、国立キャンパス(国立市)及び小平国際キャンパス(小平市)において、従前より水道水に井戸水を使用しており、国(政府)による暫定目標値の設定に先立ち、井戸水におけるPFOS及びPFOAについて水質調査を行いました。
 この調査の結果、国立キャンパスにおいては、370ng/Lであり暫定目標値を超過していたことから、井戸水の採水を停止し、令和2年4月1日より東京都水道局の水道水を使用しています。供給水道水を管理している東京都水道局では、定期的な水質検査を行っており、給水栓(蛇口)における濃度が暫定目標値を下回るよう管理されているものと承知しています。
 小平国際キャンパスにおいては、水質調査の結果、25ng/Lであり暫定目標値を下回る結果となっていることから、井戸水を水道水として使用しています。現在も継続して定期的に水質検査を行い、暫定目標値を下回る基準であることを確認するなど、水質の管理を徹底しています。

 本学では、引き続き、国(政府)や自治体などの動向を注視しつつ、安全な水道水の確保に努めてまいります。

※1 耐熱性や耐薬品性に優れ、フライパンの表面加工、撥水剤や泡消火剤として幅広く使用されています。PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)は平成22年(2010年)に一部の用途を除き使用・製造禁止とされ、平成29年(2017年)に全ての用途で国内での使用・製造が禁止となりました。また、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)は、令和3年(2021年)に一部の用途を除き使用・製造が禁止されました。
※2 ヒトが一生涯毎日2L飲用しても問題ないとされる値
※3 ng/Lとは、水1リットルあたり10億分の1グラムの物質が溶解していることを表します。


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関連情報 東京都保健医療局において有機フッ素化合物(PFAS)に関する電話相談窓口を開設しています。
     国内等で現在明らかになっている関連情報が確認できます。
     受付時間 月曜日から金曜日(国民の祝日及び年末年始を除く)
          午前9時00分から午後5時00分まで
          電話番号03-5989-1772(東京都保健医療局)




*本件については、本学として専門知識を持った外部有識者にご相談しつつ対応しているところです。
 大変申し訳ありませんが、問い合わせについては下記メールアドレスまでお願いいたします。
  mail: pfas-water@ad.hit-u.ac.jp 



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