一橋教員の本
死と後世 (ちくま学芸文庫)
サミュエル・シェフラー著 ; 森村進訳 |
訳者コメント
本書の中心的な主張は〈われわれ自身の死後も人類が生存することは、通常認められているよりもわれわれにとってはるかに重要である〉というものです。この主張はわれわれの私的な生き方にも公共政策にも重大な含意をもつでしょう。
著者シェフラーのタナー講義に基づく本書は、本論に加えて、ウルフ、フランクファート、シフリン、コロドニという四人の哲学者による鋭利なコメントと、それに対する著者のリプライも含んでいます。私は新鮮な思考実験・問題提起と精緻な議論に満ちた本書を読んだ時からこれが日本の読者に広く読まれることを期待していましたが、このたび自分自身で訳出できたのは幸いでした。