一橋教員の本
刑事捜査法の研究
![]() |
緑大輔著 |
著者コメント
本書は、刑事訴訟法のうち特に犯罪捜査にかかわる法について、これまで執筆した論文に加筆した上で、一書にまとめたものです。
学部3年生のときに、三商大ゼミ(大阪市立大、神戸大、一橋大のゼミで行われる合同ゼミ討論会)に参加しました。そのときに出題された問題が、本書にも収録されている論文で扱っている問題でもある、逮捕に伴う無令状の捜索押収の適否でした。三商大ゼミに取り組む過程で得た問題意識は、その後、修士論文や博士論文につながり、さらに問題を調べつつ考えつづけた結果、関心対象が広がり、本書の内容になりました。
本書の配列とは異なり、本書の目次の後に示されている初出一覧を参照していただき、年代順に読んでいただければ、関心が広がっていく過程を追体験できるかもしれません。本書を手に取る人が、私の感じた捜査法の面白さと問題の広がりをともに感じてくれるとすれば、それにまさる喜びはありません。