一橋教員の本
家族と刑法 : 家庭は犯罪の温床か?
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深町晋也著 (石綿はる美執筆) |
著者コメント
従来、「法は家庭に入らず」の典型とされていた刑法が、近時は家庭内暴力や児童虐待等の家庭で生じる問題に介入をしています。その際に、どのようなルールで介入していくべきか、どこまで介入をするべきかということを究極のテーマに、様々な論点について論じるのが本書の特徴です。
もう一つ、本書の隠れた特徴は、本書で扱われた家庭内暴力、児童虐待等の各問題について、民法の視点からコメントがついていることです。扱われたテーマについて、正面から取り組むこともあれば、関連する問題を紹介することもあり、気まぐれなコメントですが。
気軽に興味のあるテーマから読み始めるなどして、家族と刑法をめぐる問題、さらには、ある事象についての刑法と民法の見方の違いについて考えを巡らせていただければ幸いです。そして、法学を学ぶ方のみならず、家族をめぐる問題に関心がある方たちに幅広く手に取っていただければ、執筆者の一人としてとても嬉しく思います。(石綿はる美)