一橋教員の本

ブラジル法概論

ブラジル法概論

阿部博友
大学教育出版 2020年3月刊行
ISBN : 9784866920696

刊行時著者所属:
阿部博友(法学研究科)

著者コメント

 地球の裏側に所在するブラジルには1908年から移民が開始され、現在では約150 万人の日系人が居住していて、法曹界では日系人の裁判官、大学教授や弁護士が活躍しています。しかし、私たちはブラジル法についてほとんど知る機会がありません。ブラジルが発見された1500年から始まる300年もの間、宗主国であるポルトガルの法令がブラジルに適用されていましたが、独立(1822年)を契機にブラジル法の形成が始まります。「秩序と調和」(この言葉はブラジルの国旗にも記されています)に基づく社会発展を希求したブラジルの指導者達は、フランスの社会学者コントの実証主義を信奉し、その理念の下で法典の編纂に着手しました。その後200年を経てブラジルは、欧米そして近隣諸国の法理論を進んで取り入れて、世界に誇れる法体系を確立しています。本書は、ブラジル法の全体像を第Ⅰ編で紹介し、第Ⅱ編では、会社法、競争法、腐敗防止法および仲裁法を題材に現代ブラジル法の特質を追究したわが国初のブラジル法概説書です。日本法への示唆にも富んだブラジル法の研究や学習に是非活用してください。



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