一橋教員の本

寻找巴金

寻找巴金

坂井洋史
四川文艺出版社 2019年1月刊行
ISBN : 9787541149801

刊行時著者所属:
坂井洋史(言語社会研究科)

著者コメント

 本書は巴金故居が企画した「回望巴金」叢書全十冊の一で、拙著『巴金論集』(復旦大学出版社、2013年)刊行以降に中国で発表した巴金関係の文章及び『論集』未収録の自序跋類を収めました。

 内容は大きく三つに分かれます。第一は「文学性」をキー概念に、閲読、ナラティヴ、叙述主体の問題を考察したもので、学術シンポジウム、レクチュアの提出論文や講演原稿をまとめました。第二は新発見、稀見資料の紹介を中心とした「考証もの」、そして第三が自序跋文です。第一のものは当初の発表、公刊の形態に制限され、前述の問題の考察を緻密に展開したものではありませんが、「文学によってしか表現できないもの」に関する思考の前提は明確に提示してあります。第二のものは、中国近代文学研究、巴金研究への実証面におけるささやかな貢献であると同時に、掌故小品として比較的気楽な閲読に供する読み物でもあります。第三のものにもいくらか議論が含まれますが、基本的には自分のための記念として収録しました。

 ここに収録した諸篇より後にも、「尋找」即ち探求を旨とした同傾向の文章を書き継いでおりますので、それが一定の分量に達したら、また同様の文集にまとめるつもりです。



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