一橋教員の本

ハーバート・スペンサーコレクション

ハーバート・スペンサーコレクション

ハーバート・スペンサー著 ; 森村進編訳
筑摩書房 2017年12月刊行
ISBN : 9784480098344

刊行時編訳者所属:
 森村進(法学研究科)

編訳者コメント

 ハーバート・スペンサー(1820-1903)はジョン・スチュアート・ミルと並んでヴィクトリア朝英国の最も重要な哲学者で、日本でも自由民権運動の時期に多数の著作が翻訳され読まれていましたが、死後は不当に忘れ去られていました。しかし彼の政治思想は19世紀の古典的自由主義・リバタリアニズムを代表するものであり、他に類を見ないほどの理論的な徹底性のためにも今日読み継がれるべき価値を持っています。
 私はこのたび彼の政治哲学の領域から、最初の著作である『政府の適正領域』、大著『社会静学』の中心的部分、後期の論争的な論文集『人間対国家』を選んで訳出し、比較的詳細な訳者解説を付しました。この分野におけるスペンサーの著作の邦訳は19世紀末以来絶えてなかったものなので、本書の刊行は歴史的な快挙であると自負しています。
 なおスペンサーは英国赴任中の森有礼とロンドンの同じクラブに属していて親しく交流していたという点で、一橋大学ともゆかりがある人物です。



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