一橋教員の本
生産・流通・消費の近世史
渡辺尚志編 |
著者コメント
日本近世の経済社会において、人びとは生産に工夫を凝らし、物流を担い、消費生活を向上させていきました。そこには、都市と村々、農村と漁村などを相互につなぐヒト・モノ・カネ・情報のネットワークがありました。本書はそこに着目し、食料と肥料、水産物、衣服・酒・煙草等の嗜好品、書物や文房具など、具体的な「モノ」の移動に焦点を合わせて、その生産・流通・消費のありようを一貫して把握しようとしたものです。そして、環境・資源・生態系との対話により編み出された技術や生業の複合性にも注目して、近世の人びとの多種多様な生活をリアルに描くことに努めました。