一橋教員の本
中国近代の思想文化史
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坂元ひろ子著 |
著者コメント
現代中国の政治・政治史の本は多いですが、中国近代の思想文化史の一般書は、これまでにないといっていいでしょう。かといって、やはり外国の思想文化史となるとやはり前提となる知識も必要ですので、軽く読み通せるものにはできません。苦肉の策で、序の口で少しばかり前近代の概観をつけてみました。近代思想史はある意味で前近代と西洋近代の「知」とを相手に格闘し、もがき、更新してきた軌跡であるともいえます。文化面に留意したのはことにジェンダーの視点をいれようとしたからで、女性史を除いてやはりこれまでにない通史的一般書といえるでしょう。読みづらいと思われるかたも、ぜひ図版とその説明をまずご覧ください。本書掲載図版をこれまでにすべて見たというかたはおられないでしょう。また日中戦争期に中国の知識人たちがどう苦悶していたのか。それを私たちも知る必要があるでしょう。いろいろな読み方をしていただければと思います。