一橋教員の本

コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンス

花崎正晴
岩波書店  2014年11月刊行
ISBN : 9784004315131

刊行時著者所属:
 花崎正晴(商学研究科)

著者コメント

 昨今コーポレート・ガバナンスの問題は、法学、経済学、金融論そして企業経営論の研究分野にとどまらず、実業界においても重要なトピックスの一つとなっている。また、政府が2014年6月下旬に発表した「日本再興戦略2014」(いわゆる、成長戦略)においては、その冒頭で「日本の稼ぐ力を取り戻す」施策として、コーポレート・ガバナンスの強化が挙げられ、その指針作りが始まっている。もちろん、企業パフォーマンスを高めたり、企業スキャンダルを撲滅させたりするために、コーポレート・ガバナンス改革を進めるという方向性には一定の意義はあるが、広く企業行動を律する問題としてコーポレート・ガバナンスを論じるにはより広範で多面的な視点が必要である。本書では、次のような問いを立てて、コーポレート・ガバナンスの問題の本質を論じている。日本企業のガバナンスの特徴とは何なのか、1990年代に顕在化した金融危機当時日本の銀行のガバナンスはどのような状態であったのか、経済のグローバル化は日本企業のガバナンスにどのような影響を及ぼしているか、そして、企業ガバナンスに関わる主体や主眼はいかにあるべきか。



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