一橋教員の本
共通文化にむけて : 文化研究1
レイモンド・ウィリアムズ著; 川端康雄編訳; 大貫隆史, 河野真太郎, 近藤康裕, 田中裕介訳 |
著者コメント
本書はウェールズ出身、イギリスの著述家であるレイモンド・ウィリアムズ(1921-1988年)のさまざまな論考を、日本独自の編集で翻訳したものです。ウィリアムズは「カルチュラル・スタディーズの祖」という形で紹介されることが多い人物ですが、ウィリアムズの「文化研究」がいかなる経験から生まれ、いかなる含意を持っていた(いる)のかという点は、十分には理解されてこなかったと思われます。本書は有名な「文化とはふつうのもの」、「マルクス主義文化理論における土台と上部構造」などにくわえて、これまであまり光の当てられなかったウェールズ関連のエッセイを収めることで、ウィリアムズの思想の背後にある経験のありさまを浮き彫りにしつつ、ウィリアムズの言う文化、そしてさらには共通文化とは何なのかが触知される構成になっています。本書は二巻構成となる論集の第一巻です。