一橋教員の本

近代日本の人間形成と学校 : その系譜をたどる

近代日本の人間形成と学校 : その系譜をたどる

木村元編著
クレス出版 2013年3月刊行
ISBN : 978-4-87733-676-9 本体3,800円+税

刊行時著者所属:
 木村元(社会学研究科教授)

著者コメント

 本書は、クレス出版から2012年に出されたシリーズ「人間形成と社会」所収の資料を用いて、近代日本の人間形成と学校との関係を「地域」および「職業」に留意しながら眺望しようとするものである。シリーズでは、以下の観点から資料を収集し配列した。(1)学校方式の受容の諸相を社会の中に埋め込まれてきた人間形成の方式との関係に留意して提示する。(2)地域と学校による人間形成という側面から近代日本の社会形成と人間形成の論理と葛藤を示す。さらに、(3)就学と就労の関係に注目し人間形成と社会への連絡ならびにその間の調整の様相に注目する。加えて、こうした観点の前提にある産育レベルの変動にも着目しながら、21のカテゴリーにわけて77点の資料を選定し、3期においてそれぞれ7巻に配した。

 本書の特徴は、それらの資料を用いてそれぞれの時期の人間形成と社会の関係(問題)構造を上述の観点をもって描きだそうとするところにある。そのために、どの章においても独自な課題の設定を行い、資料の意味を関連の他の資料や先行の研究のなかで押さえている。そのうえで、資料の内容を踏まえた検討を行い研究的な意義を示した。さらに、引用文献に加えて参考・関連文献を記して、今後の研究に役立つようにした。



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