一橋教員の本
帝国日本と統計調査 : 当地初期台湾の専門家集団
帝国日本と統計調査 : 当地初期台湾の専門家集団佐藤正広著 |
著者コメント
この本は、日本が帝国を形成した初期、すなわち1895年台湾領有から20年間程度の時期の台湾を取り上げ、日本による異民族支配の構造について、主として台湾総督府の公文書を用いて分析しています。その際、具体的には台湾における統計調査に焦点を当て、その担い手として、①台湾総督府の指導的官僚、②台湾総督府地方官庁の官吏、③台湾にいた統計学者および実務家(多くは総督府の官吏)、④台湾の現地住民という、4つの人間集団を設定し、それぞれの置かれた状況と問題、認識の枠組みを再構成して、それらの相互関係の観点から分析を行っています。また、分析作業の結果、統治初期に台湾総督府が作成した統計資料を利用する際の注意点についても触れています。