一橋教員の本

階級政治! : 日本の政治的危機はいかにして生まれたか

 
階級政治! : 日本の政治的危機はいかにして生まれたか  

階級政治! : 日本の政治的危機はいかにして生まれたか

 渡辺雅男
昭和堂   2009年6月刊行
ISBN: 9784812209400    本体2,400円+税
 刊行時著者所属 : 渡辺雅男(一橋大学大学院社会学研究科)

著者コメント

 階級政治という言葉や発想ほど、人々から忌み嫌われている概念も珍しい。社会学者は階級という言葉に眉をひそめ、政治学者は階級政治という言葉に強い軽蔑のまなざしを向ける。階級も階級政治も死を宣告され、学問世界から追放されて久しい。本書はこの死亡宣告に挑戦し、階級政治論の復権を試みようとするのだから、無謀といえば無謀、無茶といえば無茶である。そんな無茶と無謀を覚悟した本書のメッセージは単純かつストレートである。戦後日本の政治は一貫して階級政治だった。この単純至極な命題をいかに説得的に展開するか。ここに本書の課題があり、狙いがある。政治の行き詰まり、政権交代、自民党政治の崩壊と、格差社会の到来の次に控える政治変動への期待は、また政界再編の予感は、今や広く国民の中に浸透している。政治学者や政治評論家が見失った概念、「階級政治」を分析用具に、戦後政治を社会科学の俎上に乗せて分析する。結果は? どうかご自身の目で確かめてほしい。



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