一橋教員の本

東西豪農の明治維新 : 神奈川の左七郎と山口の勇蔵

 
東西豪農の明治維新  

東西豪農の明治維新 : 神奈川の左七郎と山口の勇蔵

 渡辺尚志
塙書房   2009年3月刊行
ISBN: 9784827331073   本体2,200円+税
 刊行時著者所属 : 渡辺尚志(一橋大学大学院社会学研究科)

著者コメント

 本書は、幕末維新期を生きた二人の豪農・地方名望家に焦点を当て、彼らの人生経験を通じて明治維新の意味を考えてみたものです。取り上げたのは、神奈川県の山口左七郎と、山口県の林勇蔵です。左七郎は、自由民権運動に積極的に参加し、そのことを通じて村や地域社会の発展を目指しました。一方の勇蔵は、河川改修によって地域住民の生活と農業生産を安定させることに全力を注ぎました。このように、両者の生き方はそれぞれに個性的ですが、地域の公共利益増進のために尽力した点は共通しています。明治維新は、教科書や歴史ドラマに登場するような有名人だけで成ったわけではありません。彼らのような豪農・地方名望家が、各地において明治維新の歴史過程を下支えしていたのであり、彼らの生涯を跡づけることには大きな意義があると思います。



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