一橋教員の本

ワイマール期ベルリンの日本人 : 洋行知識人の反帝ネットワーク

 
 

ワイマール期ベルリンの日本人 : 洋行知識人の反帝ネットワーク

 加藤哲郎
岩波書店   2008年10月刊行
ISBN: 9784000257657   本体5,000円+税
 刊行時著者所属:加藤哲郎(一橋大学大学院社会学研究科)

著者コメント

 この本は、ドイツのナチス台頭前夜,祖国を離れ学問の都ベルリンで読書会活動に参加した若き「洋行インテリ」たち.ナチズムに抵抗しつつスターリズムの犠牲になった国崎定洞をはじめ,蝋山政道,有澤廣巳,千田是也など専門や思想的立場を異にする日本人反帝グループ構成員の波瀾に満ちた軌跡を、膨大な第一次資料と情報ネットワークを用いて描き出したものです。当時の文部省派遣留学者が主対象ですから、一橋大学(東京商大関係者も、杉本栄一、大熊信行、大塚金之助らが登場します。世界各国を訪ねての公文書館資料発掘と共に、関係者の聞き取りとインターネットを用いた情報収集・研究ネットワーク作りが重要な役割を果たしており、私の提唱する「情報政治学」の一つの実験を兼ねています。5000円という高価な本で、学部学生の皆さんには大変かと思いますが、岩波書店のウェブサイトに、目次と序章をpdfファイルで読める立ち読みコーナーが設けられています。
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/X/0257650.html
 発売直後から多くの新聞・雑誌の書評で取り上げられ、ウェブ上でも論じられている問題作ですから、ぜひ挑戦してみてください。



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