一橋教員の本
植民地期朝鮮の国民経済計算 : 1910-1945
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植民地期朝鮮の国民経済計算 : 1910-1945 |
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金洛年編, 文浩一, 金承美訳, 尾高煌之助, 斎藤修訳文監修著 東京大学出版会 2008年3月刊行 ISBN:9784130460965 本体18,000円+税 | ||
刊行時著者所属:尾高煌之助(一橋大学名誉教授), 斎藤修(一橋大学経済研究所) |
著者コメント
周知のように国際連合がSNAを発表したのは1953年である。このため、それ以前は任意の基準で各国が経済統計を編成してきた。植民地期朝鮮(1910-1945)も、例外ではない。これは朝鮮半島の歴史的展開のみならず、国際比較と長期動向を追究するうえで制約となっていた。本書は、この「制約」を解き放つことを目的に、植民地期朝鮮の経済の実態を国民経済計算(SNA)にそくして推計・整備したものである。これにより、植民地期朝鮮を比較史的な文脈で検討するための統計インフラが構築された。
本書は、本学経済研究所と交流の深い落星台経済研究所(韓国ソウル)の研究成果を翻訳したものである。本学21世紀COEプログラム「社会科学の統計分析拠点構築」の下で進められているアジア長期経済統計プロジェクトの一環として企画され、日本語版の作成はCOE研究員である文浩一と金承美がもっぱら担当した。その意味で、本書は21世紀COEプログラムの成果の一つでもある。(斎藤修)