一橋教員の本
質的データ分析法 : 原理・方法・実践
質的データ分析法 : 原理・方法・実践 |
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佐藤郁哉著 新曜社 2008年3月刊行 ISBN:9784788510951 本体2,100円+税 | ||
刊行時著者所属: 佐藤郁哉(一橋大学大学院商学研究科) |
著者コメント
「質的研究」は、数値データを中心とする量的研究とさまざまな点で対比されるが、このアプローチは、過去10年あまりの間に大きな潮流となってきた観がある。本書は、その質的研究におけるデータ分析の技法と作法について解説した入門書である。
特に力点を置いたのは、いかにして「質の高い質的研究」をおこなっていけばよいか、というポイントである。本書では、質的研究にもとづく論文や報告書に頻繁に見られる問題を総称して「薄い記述」と呼び、それを次の7つのタイプに分けて論じる――読書感想文型、ご都合主義的引用型、キーワード偏重型、要因関連図型、ディテール偏重型、引用過多型、自己主張型。この本では、まずこの
ような7つのタイプの薄い記述が生じてくる背景を明らかにする。そして、それらをより「分厚い」記述に変えていくための、いくつかの方法や手がかりについて解説していく。