一橋教員の本
マーシャルと歴史学派の経済思想
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西沢保著 岩波書店 2007年3月刊行 ISBN:9784000099134 本体11,000円+税 | ||
著者紹介:西沢保 |
著者コメント
本書は、新古典派経済学の祖、A. マーシャルの経済思想を歴史学派(倫理学派)との関わりで捉えようとするものである。マーシャルの時代は、新古典派経済学の形成期であると同時に、ドイツ歴史学派的思考が国際的に広まり、労働問題・社会問題を背景に社会改良・社会政策的思考が高まり、福祉国家の礎石が置かれる時代でもあった。また、ドイツ、アメリカの急速なキャッチアップでイギリス経済は強力な挑戦に曝されるようになった。本書は、イギリス歴史学派、オクスフォード・エコノミストの興隆、LSEの誕生、経済学の専門化・制度化におけるマーシャルと歴史学派、マーシャルとイギリス産業上の主導権、創設期の厚生経済学と福祉国家などの主題を論じ、その中に本学の学問形成の祖とも言える福田徳三と東京高商・商大の形成を位置づけようとしている。(西沢保)