一橋教員の本

公文書管理の法整備に向けて : 政策提言

 
政策提言 

公文書管理の法整備に向けて : 政策提言

 総合研究開発機構, 高橋滋共編 ; 木藤茂[ほか] 執筆
商事法務   2007年2月刊行
ISBN:9784785713973   本体4,200円+税
 著者紹介:高橋滋, 木藤茂

著者コメント

本書は、総合研究開発機構(NIRA)の委託の下で、2005年8月から2006年7月までの間、社団法人商事法務研究会で開催された「公文書管理法研究会」の成果をまとめたものである。
わが国では、行政活動に伴い生じる公文書のうち歴史資料として重要なものは国立公文書館に移管され永久保存される、という法的枠組みは存在するものの、現実には必ずしも十分には移管が進んでいない。このような現状を改善する方法の1つとして、公文書の作成段階から移管・廃棄及び歴史資料としての保存・利用に至るまでの「公文書のライフサイクル」全般を視野に入れた法制度が検討されるべきではないか、との指摘がなされるようになった。
こうした動きを受け、本研究会では、公文書の管理に関する法的枠組みを検討する上で留意が必要と思われる論点を網羅的に整理し、論点ごとの考え方をまとめて「要綱案」の形で提示するに至った。もっとも、研究会の議論では、「要綱案」の基礎となる考え方に大きく2つの方向性があるとの結論に至ったため、それら両案(甲案・乙案)が併記される形となっている。
本書は、これらの「要綱案」とともに、その基礎となった「論点整理」、「要綱案」の策定に至る経緯と詳細な解説のほか、アメリカ、イギリス、ドイツの公文書管理法制の比較研究および法制度の整備の観点から重要と思われる論点について各委員がそれぞれの立場から考察・検討を行った論文を収めている。
公文書管理について法的な観点から具体的論点を網羅的に検討したものとしては、わが国初の論説書と言えよう。
なお、この研究会には、本学法学研究科から、座長を務めた高橋滋教授および木藤茂助教授の2名が委員として参加している。(木藤茂)



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