一橋教員の本

「正しい戦争」という思想

 
「正しい戦争」という思想 

「正しい戦争」という思想

 山内進
勁草書房   2006年4月刊行
ISBN:4326450789   本体2,800円+税
 著者紹介:山内進

著者コメント

「正しい戦争」という考え方がある。これは、事情によっては許される戦争があるという立場を前提としている。条件を設定し、その条件に適えば戦争といえども許されるという考え方といってもよい。このような考え方は、ヨーロッパでは正戦として論じられ、古代ローマ以来の伝統を有している。しかし、「正しい戦争」という概念と正戦という概念は区別しなければならない。「正しい戦争」は一般的概念だが、正戦はヨーロッパ的概念である。また、正戦と聖戦も区別しなければならない。ジハードは聖戦だが、正戦ではない。本書は、概念が錯綜している「正しい戦争」論を整理し、この問題を考えるための基本的な論点について法学、歴史学、哲学など多面的な観点から扱った共同研究である。一橋大学21世紀COEプログラム「ヨーロッパの革新的研究拠点─衝突と和解」におけるワークショップでの成果や議論を基に記述されたもので、重要な論点がそれぞれの分野の専門的研究者によってわかりやすく書かれている。(山内進)



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