一橋教員の本

経済制度の生成と設計

 
経済制度の生成と設計 

経済制度の生成と設計

 鈴村興太郎, 長岡貞男, 花崎正晴編
東京大学出版会   2006年3月刊行
ISBN:4130402234   本体5,800円+税
 編者紹介:鈴村興太郎, 長岡貞男

編者コメント

1980年代のはじめに出版した最初の著作以来,私の研究は厚生経済学と社会的選択の理論に焦点を合わせてきました。社会状態の善悪を判断する評価基準の民主的な形成方法を研究すること、形成された評価基準に依拠して最善の経済メカニズムの設計と実装の可能性を研究すること、現実の経済メカニズムの成果をこの評価基準に基づいて採点して、成果を改善するために政策を設計することが、この理論の主要な課題です。ところで、現実の経済メカニズムは、合理的な制度設計と実装によって設計主義的に改革される場合も当然ありますが、他方では代替的な制度との競合関係に勝利した制度が自生的に成長して定着する進化プロセスを経て、漸進的に修正される場合もあります。本書は経済制度の通時的な変化のこれらの2つの契機ーー理性的な社会的選択と自生的な漸進的進化ーーを複眼的に視野に収めつつ、戦後日本の制度変化のさまざまな側面を検討した共同研究の成果です。(鈴村興太郎)



Share On