一橋教員の本

成長信仰の桎梏  消費重視のマクロ経済学

 
 

成長信仰の桎梏  消費重視のマクロ経済学

 齊藤誠
勁草書房, 2006年12月刊行
ISBN:4326550546   本体2,200円+税
 著者紹介

著者コメント

本書は,「高水準で安定した消費を享受できる」ことを基準で1980年代半ば以降のマクロ経済政策をかなり批判的に評価しています。この評価基準は,GDPの拡大を指標とする従来の考え方とは似て非なるものであって,現在の「上げ潮政策」でGDPの成長ばかりを煽っても消費水準が豊かにならないし,挙げ句には資産価格バブルの導火線にもなりかねない危険性を,マクロ経済学の理屈を連ねて,しかし,日常の言葉だけで議論しています。「市場主義」の権化として常に批判されてきた新古典派経済学ですが,現状に対してメスを入れることもできますし,日本のマクロ経済政策が「市場主義」に則っているどころか,そこから大きく逸脱していることを論じています。無味乾燥と思われがちな新古典派マクロ経済理論の一味違った一面を感じて頂ければありがたいです。



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