一橋教員の本

リスクとデリバティブの統計入門:金融工学入門講話

 
リスクとデリバティブの統計入門 

リスクとデリバティブの統計入門:金融工学入門講話

 三浦良造
日本評論社   2005年9月刊行
ISBN:4535553238   本体2,400円+税
 著者紹介

著者コメント

本書は、2000年10月から18ヶ月にわたり、「数学セミナー」に連載した”高校生からの金融工学”を手直しして単行本にしたものです。高校生以上の方に数学を含む計量的方法に馴染んでいただくことと金融工学の入門的内容を解説することを目的として執筆しました。一橋大学大学院国際企業戦略研究科金融戦略講座を開設して、計量的アプローチに熟達した金融の高度専門家を育て日本の金融ビジネスを強くしたいと云う姿勢で努力していますが、本書にあるような計量的方法がもっと一般に普及しないといけないと感じています。中学、高校、あるいは大学学部においてさえ、数学の勉強を減らす方向にあることに懸念を抱き、数学と計量的方法の勉強は面白いものだ、そしてそれを必要とする研究分野とビジネス世界があるのだ、ということも同時に伝えたいと思い、これを執筆しました。一橋大学は、開学以来、統計学に優れた実績がありますが、その流れの上にあって、現在金融工学あるいは計量的ファイナンスという分野のリーダーでもあります。学部時代からこの分野に興味を持ち、本学から多くの専門家を輩出できることを願っています。さらに付け加えますと、この分野は”金儲け”の研究分野であるかのような誤解がありますが、それは大きな間違いであり、金融資産あるいは金融機関のリスクの計測と管理、リスクの移転のための新証券(天候デリバティブ、資産担保証券など)のデザインと価格付けなど、現在の金融業務に欠かせない高度な知性と技量を必要とする分野です。



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