一橋教員の本

死刑の比較研究 : 中国、米国、日本 

 
死刑の比較研究 

死刑の比較研究 : 中国、米国、日本

 王雲海
成文堂   2005年3月刊行
ISBN:4792316898   本体4,500円+税
 著者紹介

著者コメント

今の世界では死刑が大きな問題となっている。米国、中国、日本のいずれも死刑を存置させている国である。そこで、この三つの国々における死刑制度は互いがどこで同じでどこで違うのかを比較して、この三つの国は死刑制度に対してこれからどのような姿勢をとるべきかを明らかにしようとするのは、この著書の目的である。
これを達成するために、「保護法益論」を基準にして、死刑の罪名、死刑の様式、死刑の条件、死刑の執行方法、死刑の前後刑罰、死刑の社会的基礎という6つの項目にわたって、米国、中国、日本のそれぞれの死刑制度を比較したうえで、米国では、死刑に「経済的機能」を果たせているのに対して、中国ではそれに「政治的機能」を、日本ではそれに「文化的機能」をそれぞれと果たさせていると析出して、「人権保障」や「合理性」を理念とする「法治主義」(「法の支配」)と「多数決」や「力の支配」を原理とする民主主義との違いを指摘して、米国、中国、日本のいずれも純粋な「法治主義」的な視点から死刑問題を再認識する必要性があることを結論づける。



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