一橋大学と社会をつなぐ講座シリーズ アカデミア
開催報告
2022年度 関西・中部合同アカデミア
「国と地域の振興政策のこれまでとこれから:日本、シンガポール、欧州の比較」
2023年2月11日(土)、「国と地域の振興政策のこれまでとこれから:日本、シンガポール、欧州の比較」をテーマに、2022年度関西・中部合同アカデミアをオンラインセミナーとして開催しました。
プログラムは、植杉威一郎経済研究所教授の進行のもと、大月康弘副学長による開会挨拶で始まり、リー・チーハオ氏(シンガポール経済開発庁Assistant Vice President)、冨浦英一経済学研究科教授、岡室博之経済学研究科教授、堂免隆浩社会学研究科教授の4名を登壇者として迎え、講演とパネル・ディスカッションが行われました。
前半の講演では外国の企業と資本・人材を積極的に取り込んで経済成長を続けるシンガポールや、ドイツ・フランス・英国の、国と地域の振興政策の関係について論じられました。
後半のディスカッションでは、諸外国の比較の視点も取り入れながら日本の地域振興政策のあり方について議論が交わされました。その後の質疑応答でも活発な議論がなされました。
新型コロナウイルス感染症拡大への対策から、昨年度に引き続きオンライン開催となりましたが、日本全国のみならず海外複数国からの参加もあり、274人の聴衆を集めたシンポジウムは盛況のうちに幕を閉じました。
パネル・ディスカッションの様子
日時 | 2023年2月11日(土) 13:00開始(12:45から接続可能) |
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開催方法 | Zoomウェビナーによるオンライン開催 |
プログラム
13:00~ | 司会挨拶 |
植杉 威一郎 一橋大学経済研究所教授 |
13:05~ | 開催挨拶 |
大月 康弘 一橋大学副学長 |
13:10~ | 講演 |
リー・チーハオ シンガポール経済開発庁 冨浦 英一 一橋大学大学院経済学研究科教授 岡室 博之 一橋大学大学院経済学研究科教授 堂免 隆浩 一橋大学大学院社会学研究科教授 (司会) 植杉 威一郎 一橋大学経済研究所教授 |
14:10~ | 休憩 | 14:20~ | パネル・ディスカッション |
リー・チーハオ シンガポール経済開発庁 冨浦 英一 一橋大学大学院経済学研究科教授 岡室 博之 一橋大学大学院経済学研究科教授 堂免 隆浩 一橋大学大学院社会学研究科教授 (司会) 植杉 威一郎 一橋大学経済研究所教授 |
14:40~ | 質疑応答・まとめ | |
15:00 | 閉会 |
講演者プロフィール
リー・チーハオ(Lee Chee How)

シンガポール経済開発庁(EDB)Assistant Vice President。 一橋大学経済学部卒業(経済学士)。2014年4月、EDBヘルスケア(医薬品・医療機器)産業本部に入庁し、投資誘致や産業育成に従事。2017年〜2020年、EDB日本事務所所長として日本に駐在し、ヘルスケア、航空宇宙、物流、建設などの産業を担当。帰国後、EDBヘルスケア
産業本部とJapan & Korea Deskを兼任し、現在に至る。
冨浦 英一(とみうら えいいち)

一橋大学大学院経済学研究科教授。専門は、日本の企業・産業・地域データを用いた
計量実証研究。東京大学経済学部卒業、M.I.T.経済学Ph.D.。通産省大臣官房企画調査官、神戸大学教授、横浜国立大学経済学部長などを経て、2015年9月より現職。
著書:『アウトソーシングの国際経済学』(日本評論社2014年)など
受賞:エコノミスト賞(毎日新聞社2014年度)、日経・経済図書文化賞(日本経済新聞社2015年度)、小島清賞研究奨励賞(日本国際経済学会2016年度)
岡室 博之(おかむろ ひろゆき)
一橋大学大学院経済学研究科教授。専門は産業組織論、企業経済学。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了、ボン大学(ドイツ)Ph.D.取得。一橋大学経済学部専任講師、経済学研究科准教授を経て2011年より教授、2017年度から2018年度まで経済学部長・大学院経済学研究科長。日本中小企業学会会長、企業家研究フォーラム会長等を歴任。
著書:『研究開発支援の経済学 エビデンスに基づく政策支援に向けて(共著)』(有斐閣 2022年)、『技術連携の経済分析 中小企業の企業間共同研究開発と産学官連携』(同友館 2009年)。国際的学術誌に論文多数。
受賞:中小企業研究奨励賞経済部門本賞(2009年度)、企業家研究フォーラム賞
(2009年度、2015年度)
堂免 隆浩(どうめん たかひろ)

一橋大学大学院社会学研究科教授。専門は都市政策・地域政策。東京工業大学大学院社会工学専攻博士課程修了。東京工業大学大学院社会工学専攻助手、同専攻助教を経て、2008年4月より一橋大学大学院社会学研究科専任講師。2017年より教授。
論文:「多様な利用を実現する都市公園の条件~公園でのボール遊びに着目して~」『公園緑地』(83:15-18、2022年)、「行政と地域おこし協力隊とのパートナーシップによる公共サービスの供給―尾鷲市の定住移住事業を事例として― (共著)」
『計画行政』(42(4):47-54, 2018年)他
受賞:日本環境共生学会学位賞(2005年)
植杉 威一郎(うえすぎ いいちろう)

一橋大学経済研究所教授。専門は企業金融、中小企業。1993年東京大学経済学部卒業、2000年カリフォルニア大学サンディエゴ校博士課程修了(Ph.D. in Economics
取得)。通産省(現経済産業省)、資源エネルギー庁、中小企業庁などを経て2011年
3月より一橋大学経済研究所准教授、2015年より同教授。経済産業研究所ファカルティ―フェローを兼務。
主な著書: 『検証 中小企業金融「根拠なき通説」の実証分析』(2008年, 共編著, 日本経済新聞出版社)、『The Economics of Interfirm Networks』(2015年, 共編著, Springer)、『中小企業金融の経済学 金融機関の役割 政府の役割』(2022年, 単著, 日本経済新聞出版, 第65回日経・経済図書文化賞)
主 催 | 国立大学法人一橋大学 |
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協 賛 | 大阪ガス株式会社、オムロン株式会社、小林製薬株式会社、塩野義製薬株式会社、 |
後 援 | 大阪商工会議所、公益社団法人関西経済連合会、名古屋商工会議所 (順不同) |
お問合せ先 | 国立大学法人 一橋大学 広報・社会連携課 〒186-8601 東京都国立市中2-1 メール res-ac.ml[atマーク]ad.hit-u.ac.jp 電 話 042-580-8058 (平日9:00~17:00) FAX 042-580-8050 |
過去の講座一覧
アカデミアについて
一橋大学は、社会科学の研究総合大学ならではの諸問題に対する優れた分析と方策を提唱するために、平成20年に「一橋大学関西アカデミア」を、平成22年に「一橋大学中部アカデミア」を開始し、各地域に特化したシンポジウムや講演を行っています。今年度は「一橋大学と社会をつなぐ講座シリーズ」のひとつとして、関西・中部合同で開催します。
本学は、わが国で最も古い社会科学の総合大学として常に学界を先導してきた歴史と実績を有し、今なお新領域の開拓を推進し続けています。アカデミアでは、本学が有する知的資源を活用して、さまざまな問題を取り上げ、関西そして中部の人々と協力しつつ、優れた分析と方策を模索していきたいと考えています。
また、この活動により、多方面に渡って関西そして中部地域との絆を創り、関係をより一層深めていけることを願っております。