一橋教員の本

「法学部」が面白いほどよくわかる : 高校生が進路を考え始めたら (法学教室 ; 4月号増刊)

「法学部」が面白いほどよくわかる : 高校生が進路を考え始めたら (法学教室 ; 4月号増刊)

法学部で学ぼうプロジェクト編 (江藤祥平 [ほか] 執筆)
有斐閣 2022年4月刊行

刊行時著者所属:
江藤祥平(法学研究科)

著者コメント

 本書は、タイトルの通り、法学部の案内書である。そのねらいは、進路を考えている高校生に法学部の魅力を知ってもらうことにある。従来、法学部といえば堅物の集まりであり、就職先も公務員や法曹が主なものという印象が強い。しかし、本書は、社会のさまざまなフィールドで活躍する法学部OBの声を取り上げて、従来のイメージを刷新しようとしている。今年法学部に入学した1年生にもぜひ本書を手に取って、法学を学ぶことで広がる世界の豊穣さの一端を味わってもらいたい。


 本書とは直接の関係はないが、現在、綾瀬はるかと大泉洋主演の月9ドラマ『元彼の遺言状』(フジテレビ)の原作者も法学部(そして法科大学院)出身である。ご本人は弁護士経験もあるとあって、小説中の主人公の弁護士の描き方はリアリティに富む。法律学と小説家というと随分と距離があるように思うが、あの宮部みゆきも『理由』の執筆に際して法律事務所に勤めていたという経験が活きたとどこかで語っていたから、案外縁があるのかもしれない。


 本書は、模擬授業の様子をYoutubeで配信している点でも特徴的である(QRコードがあるのでそれをスキャンすれば観られる)。ひと昔前であれば法学部の教員がYoutuberになるとは想像もしなかったが、若い世代の情報源がSNSに移行した現在、これからは法学部の教員も前に出て法学の魅力をアピールしていく時代になったということであろう。実は、そのYoutuberの役割を仰せつかったのが私だったのだが、普段の授業とはまた違う緊張感があった。本書を手に取って、その様子を観てもらえるならこの上なく有難い。(江藤祥平)



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