一橋教員の本

財産権の経済史

財産権の経済史

小林延人編 (有本寛 [ほか] 執筆)
東京大学出版会 2020年8月刊行
ISBN : 9784130461320

刊行時著者所属:
有本寛(経済研究所)

著者コメント

 「お前のモノは俺のモノ。俺のモノは俺のモノ!」・・・ではない世界を回すために、財産権が必要です。本書は、近代的な財産権がどのように形づくられてきたのかを、経済史のケーススタディーを通して描き出します。財産を守るという、もっとも基本的で単純(そう)な制度のなりたちの背後には、紆余曲折と試行錯誤の歴史があることがわかります。もっと敷衍すると、現代社会のさまざまな制度には、一見すると理不尽だったり、心の底から「なんでそうなってるの??」と思わざるを得ないものもあります。それを改善する近道は、「なんでそうなっているか」という来歴を知ることです。制度ができた当時は合理的であったり、いろいろな試行錯誤のなかで、制度が形づくられたからです。これを知らずに制度を変えると、きっとどこかでガタが来ます。そういった感覚を本書で養って頂ければ、望外の喜びです。(有本寛)



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