一橋教員の本
診療所の財務実態 : 多角化・多拠点化の財務的効果
荒井耕著 |
著者コメント
地域医療の主たる担い手である診療所の財務実態を把握することは、財政制約のある中、効率的で質の高い地域医療を実現し、地域医療の持続可能性を確保していく上で重要であるが、従来その実態は十分に明らかとされていない。本書では、診療所の経営類型に着目して、その財務実態を明らかにしている。また経営類型間の実態の比較を通じて、診療所の本来業務や附帯業務による多角化や診療所の多拠点化という事業拡大策の財務的影響を推察している。その結果、本来業務多角化の影響は、医科有床診療所が老健併営多角化する場合が一番良く、附帯業務多角化の影響は、老健併営医科診療所や医科有床診療所療養病床あり型での多角化が一番良いことなどが明らかとなった。また多拠点化の影響は、老健併営医科無床診療所の多拠点化が一番良いことなどが判明した。