一橋教員の本
グローバリゼーションと基軸通貨 : ドルへの挑戦
小川英治編(熊本方雄[ほか]執筆) |
編者コメント
本書では、ドルの基軸通貨としての慣性に焦点を当てて、ドルの基軸通貨としての慣性それ自体の問題、ドルの基軸通貨としての慣性が働くなかで、ユーロや円がドルに対してどのような通貨競争を展開することができたか、そして、アジアにおけるドルへの過剰な依存、ドルへの過剰な依存からの脱却及びアジアにおける地域通貨協力を取り扱った。
本書が考察する課題として、大きく分けて、以下に三つに整理することができる。第一の課題は、基軸通貨ドルそれ自体に関連するものである。第二の課題は、基軸通貨ドルに対して有力な競争通貨となりうる、ユーロや円などの他の主要国際通貨に関連するものである。第三の課題は、東アジアの経済発展及び経済統合が、そして、台頭する中国の通貨当局による人民元の国際化の推進が、東アジアにおけるドル依存に対してどのような影響を及ぼしうるのかである。本書は、これらの課題について何らかの答えを導きすことを目指している。(小川英治)