一橋教員の本
排除と抵抗の郊外 : フランス〈移民〉集住地域の形成と変容
森千香子著 |
著者コメント
昨年11月にパリで同時襲撃事件が起きましたが、それ以来「ホームグロウン」とよばれる自国生まれの移民・マイノリティの若者の存在が注目を集めています。本書はこのような移民・マイノリティの若者が集住する「場」である「郊外」に焦点をあてます。「郊外」というと日本では中産階級の住宅地、ベッドタウンといったイメージがありますが、フランスの「郊外」は低所得層の「移民」集住地区が点在し、日本のそれとは大きくかけ離れています。本書はこのようなフランス「郊外」がどのように形成されたのかを明らかにし、「郊外」という場を起点にフランス主流社会とマイノリティの亀裂をたどることで、「テロ」などの暴力の背後にある排除と抵抗の実態にせまります。なお本書は法学研究科選書の助成を受けています。