一橋教員の本

国連安全保障理事会と憲章第7章 : 集団安全保障制度の創造的展開とその課題

国連安全保障理事会と憲章第7章 : 集団安全保障制度の創造的展開とその課題

佐藤哲夫
有斐閣  2015年12月刊行
ISBN : 9784641046757

刊行時著者所属:
 佐藤哲夫(法学研究科)

著者コメント

 本書がめざす目的は、冷戦解消後における国連安全保障理事会の目覚ましい活動、特に集団安全保障制度を規定する国連憲章第7章に基づく多様な活動を総合的に分析・考察することによって、その全体的展望を提示し、国際社会における法の支配に対して安保理が果たしうる役割・機能および克服すべき課題を明らかにすることである。
 第二次大戦後に設立された国際連合の安保理は、40年以上に渡って機能麻痺を続けたが、冷戦解消後の1990年代に入って、覚醒し、目覚ましい活動を展開してきた。湾岸戦争におけるイラクに対する制裁の発動そして武力行使許可決議(決議678)の採択に始まる多くの重要な決議・活動は最近の25年ほどの間に生じたものであり、しかもほとんどが憲章第7章に基づいてなされた。
 本書の構成は、過去20年ほどの間に発表した論文を収録するという事情のために、主要な柱の内容を体系的に検討する形にはなっていないが、本書を通読することによって、主要な論点の多くを理解するとともに、安保理の活動と問題点の展開を俯瞰することができるものと考えている。



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