一橋教員の本

20世紀を考える

20世紀を考える

トニー・ジャット著, ティモシー・スナイダー聞き手, 河野真太郎
みすず書房  2015年6月刊行
ISBN : 9784622079163

刊行時著者所属:
 河野真太郎(商学研究科)

著者コメント

 イギリス生まれ、最終的にはアメリカで没した歴史家トニー・ジャットの最後の本の全訳です。トニー・ジャットは、昨年「アイス・バケツ・チャレンジ」で有名になった難病ALSに罹り、2010年に死去しました。専門はフランス思想史や中欧史ですが、ユダヤ系ながらイスラエル批判の評論を書いたり、イラク戦争に反対する論陣を張るなど、リベラル知識人としても活躍しました。本書はALSのために執筆のままならなくなったジャットに、歴史家のティモシー・スナイダーが長時間にわたるインタヴューをしたものが元になっています。インタヴューはジャットの出生から順を追って進められて行きますが、その内容はジャットの個人的な人生(それ自体数奇で興味深いものですが)にとどまらず、歴史家としての仕事とキャリア、同時代の政治や思想、学問の状況 にわたるものになっています。共産主義、社会民主主義、イスラエル問題、アメリカのリベラリズムとイスラエル問題、歴史家の役割などをめぐる、現在急速に「過去」のものとなりつつある20世紀を、個人的な記憶と歴史的な記録の双方の観点から語った、重要な20世紀の「遺言」であるといえるでしょう。

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