一橋教員の本

創設期の厚生経済学と福祉国家

カバー画像:創設期の厚生経済学と福祉国家

西沢保, 小峯敦編著
ミネルヴァ書房 2013年8月刊行
ISBN : 978-4-623-06335-2 本体8,000円+税

刊行時著者所属:
 西沢保(経済研究所教授)

著者コメント

 本書は、科学研究費による国際共同研究の成果であり、ケンブリッジ学派の厚生経済学・福祉国家観をオックスフォード派のそれと対比している。
 創設期の厚生経済学は、通常、功利主義に基づくピグーの厚生経済学で語られるが、本書では、ロビンズ以前の厚生経済学・福祉の経済学の多元性・豊饒性を明らかにし、ピグーの厚生経済学についても周到な再検討を加えている。
 新古典派経済学が展開するケンブリッジと対照的に、オックスフォードではT.H.グリーンやラスキンの理想主義を背景にホブソンの「もう一つの厚生経済学・福祉の経済学」が生まれ、自由党政権下で福祉国家の基礎が形成された。オックスフォード派を取り入れて、ケンブリッジ学派を再考し、厚生経済学を歴史的に再検討する際のステップにしたい。



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