一橋教員の本

日本人は災害からどう復興したか

カバー画像: 日本人は災害からどう復興したか

渡辺尚志
農山漁村文化協会 2013年2月刊行
ISBN : 978-4-540-12139-5 本体2,000円+税

刊行時著者所属:
 渡辺尚志(社会学研究科教授)

著者コメント

 本書は、近世の自然災害の検討を通じて、歴史学の立場から、災害・防災研究に寄与しようとするものです。本書では、津波・洪水・飢饉・火山噴火・地震という多様な自然災害を取り上げています。地域的には東北から九州にいたる全国各地の事例を取り上げ、時期的には18世紀初頭から19世紀にわたっています。

 本書では、災害の体験者が書き残した記録を記述の軸に据えることで、当事者ならではのリアリティを現代に伝えようとしました。災害の客観的経過を追うだけでなく、当事者の主観・思い・行動を重視したのです。また、災害からの復興過程の追跡を通じて、近世の村と百姓のありようをも解明しています。災害という非常事態に際して明瞭に表れる近世村落の特質、ひいては近世社会の特質についても述べています。



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