一橋教員の本

アジアの高等教育ガバナンス

カバー画像: アジアの高等教育ガバナンス

黒田一雄編著; 芦沢真五,太田浩,黒田千晴[ほか]著
勁草書房 2013年2月刊行
ISBN : 978-4-326-54631-2 本体4,500円+税

刊行時著者所属:
 太田浩(国際教育センター教授)

著者コメント

 本書は、アジア地域統合において主要な原動力・成果となる高等教育の域内交流・連携・協力の動きを記述し理論化している。具体的には、①アジアの高等教育国際化・地域化の歴史と現状の分析、②アジアの各地域的フレームワークの現状と展開、③他の地域統合過程との比較や地域間連携の展開をもとに、多極化した世界における地域的な枠組みの政策的なインプリケーションと日本の方向性について論考している。著者(太田)の執筆した第7章及び第11章の内容は、以下のとおりである。

 第7章「日中韓における成績・学位・資格評価と地域連携」では、外国学歴・資格評価(FCE)の役割と東アジアにおけるFCEの現状ならびに将来展望について考察している。主として、学術資格におけるFCEの課題に焦点を当てるとともに、先行事例として、ヨーロッパの政府系機関による評価スキームを取り上げている。

 続いて、グローバル化がもたらした高等教育をめぐる大きな変化に対応すべく、大学の国際化が喫緊の課題となっている現状に鑑み、第11章「東アジアにおける高等教育国際化の比較と連携」では、国際化の定義と範疇を確認した上で、その意義とアプローチの変化を概観している。さらに、日本における大学国際化の現状と課題を教育面に絞って、東アジア諸国の比較の下で考察を行っている。最後に、その考察を元に、今後の日本の大学国際化の政策展望と東アジアにおける国際化について論述している。



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