一橋教員の本
監査判断の実証分析
福川裕徳著 |
著者コメント
今日、職業専門家たる監査人(公認会計士)が財務諸表監査を行う際には、監査リスク・アプローチを採用することが制度的に求められている。本書は、監査人によるリスク評価とそれへの対応という2つの側面に着目し、監査リスク・アプローチの適用実態を実証的に明らかにすることを目的とするものである。第1部では、監査調書から得られたアーカイバル・データを用いて、リスク評価と監査計画との関係性を分析している。第2部では、リスク評価方法や監査要点の設定方法がリスク評価に与える影響を、実験データに基づいて検討している。第3部では、一般に入手可能なアーカイバル・データを用いて、わが国の大手監査法人が、どのような要因に基づいて監査の価格およびコストを決定しているのかを明らかにしている。